トランプ2.0 米中新冷戦 / 細川昌彦

2025年7月4日金曜日

ノンフィクション

t f B! P L

元通産相で安全保障貿易管理等に深くかかわった著者が、大統領2期目の米国・トランプと中国・習近平の政策を予想する、2025年3月発行の本です。

2019年に合意した日米貿易協定で、トランプ政権は、自動車の25%制裁関税を振りかざし、日本の輸入農作物の関税引き下げという果実を得ましたが、トランプ2.0開始直後の2025年4月には、脅しではなくあっさりと25%の追加関税を現実のものとしてしまいました。
今後もまだまだ、トランプ大統領の予測不能な動きがありそうです。
私が興味をもった著者の説明と主張の一部をご紹介します。

【中国の市場戦略】

  • 中国は、以下の4つのステップを経て世界市場を支配する。
  1. 中国の国内市場に外資を誘致(中国の大口顧客企業との取引継続のための条件とすることで強引に誘致)
  2. 合弁事業設立を求めながら技術を獲得。
  3. 巨額の補助金で中国メーカーの投資・生産を支援し、外国企業を中国市場から徐々に締め出す。
  4. 中国メーカーが過剰生産能力を持って低価格で海外へ輸出する。

【中国の政府調達】

  • 中国は政府調達において、中国企業が生産する中国ブランドを優先し、外資を事実上排除する。
  • 世界貿易機関(WTO)の政府調達協定では内外企業の差別を禁じているが、中国はこれに加盟していないので、大胆な内外差別がまかり通る。

【日米が協力し得るテーマ】

  • ラピダスは、日本企業だけによる自前主義ではなく、日米欧連携のプロジェクトだ。
  • 1980年代初頭、米国には300以上の造船所があったが現在は20しかない。
  • 米国海軍の潜水艦の約30%が修理待機中という調査結果が公表された。
  • 一方、中国の世界造船業界におけるシェアは2000年の5%から、巨額の政府補助金により2023年には50%以上に拡大した。
  • 米国は韓国の造船業による支援と協力を求めているが、日本がその役割を担う余地もある。
  • データセンターに不可欠な電力源として、また、原子力潜水艦にも応用できる技術として、「小型原子炉(SMR)」がある。日本が先行し、米国企業が協力を求める技術テーマである。
今後の米中の政策と日本の将来に関心をお持ちの方におススメします。

経済安保のエキスパートが緊急提言!
関税合戦、半導体覇権、技術流出、経済の武器化――続発するリスクに備えよ。
返り咲いて早々、関税の応酬や安全保障で世界に揺さぶりをかけるトランプ大統領。
中国も米国との戦いに備える。
企業もその対応に追われるようになった。
米中新冷戦がもたらす予測不能の未来。
日本はどのように備えればいいのか。
経済安保の第一人者である著者が、予想されるリスクと対策を詳しく解説。
これから訪れる続発するリスクへの備え方が分かる1冊!
(amazonより抜粋して引用)

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関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
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