イオンを創った女 ― 評伝 小嶋千鶴子 / 東海友和

2025年6月1日日曜日

ノンフィクション

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流通大手のイオングループ創業者である岡田卓也氏の実姉・小嶋千鶴子氏の人生と経営哲学を、千鶴子氏の部下として長年人事教育等に従事してきた著者が語ります。

千鶴子は、1916年に老舗呉服店・岡田屋の次女として生まれます。父、母、姉があいついで亡くなり、残された家族で唯一の成人者であった千鶴子は、23歳で岡田屋呉服店の代表取締役に就任します。
不幸を嘆き悲しむ暇もなく、妹二人と弟・卓也の面倒を見て、会社を切り盛りしなければならなくなったのです。
太平洋戦争末期には、「岡田屋の商品券をお持ちの方には現金をお返しします」と書かれたチラシを配って「のれん」を守ります。また、終戦後はインフレによる新円切り替えの前に会社に残っていた現金を全て商品に換えました。一次大戦後のドイツでスーパーインフレが起き、お金に値打ちが無くなったことを本により学んでいたからでした。さらに銀行が預金封鎖をした際には、封鎖された預金を担保に銀行から融資を受けます。これも書物から得た知識の賜物なのでした。

千鶴子は、働く個人の生産性を高めるための方法を4つ提示しています。
(1)常に精神状態を肯定的に保つこと。
(2)一生懸命かつ効率的に働くこと。
(3)知識とノウハウの増加を図ること。
(4)個人的友好関係を保つこと。

また、上記(1)にも通じますが、失敗や挫折を知的・楽観的に考え、一過性・局所的・可変と柔軟にとらえ解釈する心の習慣を持つことが、失敗から教訓を得て復元するために必要であると説きます。

イオングループ創設を後ろから支えた小嶋千鶴子氏の経営哲学に興味をお持ちの方におすすめします。


「弟を日本一にする――」

そういって、巨大流通グループ「イオン株式会社」の創業者・岡田卓也を人として、経営者として育て上げた、小嶋千鶴子。
ほとんど外に出てこないため、その存在はあまり知られてはいないが、
その類まれなる実力と功績をたたえ、
人々は彼女を「人事のレジェンド」とさえ呼ぶ。

23歳でイオンの前身・岡田屋呉服店の社長となり、
戦後の混乱期を数々の手腕で乗り越え、さらに発展させた。
その後、弟・卓也を社長にし、今度は卓也を支えるブレーンとなり、
経営人事・戦略人事の専門家として、イオンの基礎を作った。

岡田屋呉服店という四日市の家業を、ジャスコという企業に、
そしてイオングループという産業にまで育て上げ、
いま(2018年現在)も四日市に暮らす。

本書では、これまでまったく表に出てこなかった
小嶋千鶴子の存在とその人生を明らかにする。
同時に、イオンの社員のみが読むことができる、
小嶋千鶴子自身が書いた幻の書籍を
彼女の愛弟子が解説し、書籍化した。

これまでイオンのことが内部から語られることはほぼなく、
ベールに包まれてきた。
これによりイオンのビジネス精神が解き明かされることになり、
そういった意味でも、本書は奇跡的とも言える一冊である。

企業やリーダーたちによる不祥事が取りざたされることが多い昨今、
あらためて企業とは何か、リーダーとは何か、
人が働くということはどういうことかを
考え直すきっかけと本書はなるだろう。

また、これからビジネスを拡大したいと思っている人にも、
ぜひ読んでいただきたい。
(amazonより抜粋して引用)

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関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
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