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朝日新聞の記者としてニューデリー支局に勤務した経験を持つ著者2名が、文化、教育、経済、外交などさまざまな角度から「急成長する大国インドの実像」を描いた新書です。
世界最大の人口を抱え、若年層が多いという強みを持つ一方、教育格差や雇用不足、宗教・カーストによる対立など構造的課題も残る現実を示します。外交では米中対立の狭間で「戦略的自律性」を掲げ、QUAD や BRICS など多国間の枠組みを巧みに使い分ける全方位外交を分析します。
印象に残った著者らの解説と主張の一部を以下にご紹介します。
【文化】
- インドの離婚率は1%を少し上回る程度しかない。男女の教育格差、経済格差、家父長制、離婚をタブー視する風潮が、この数字の理由であろう。
【経済】
- 華僑との対比で「印僑」と呼ばれるインド系のディアスポラは世界に約3500万人いる。米国に住む「印僑」は直近25年で約3倍の約540万人に増えた。米中対立が激しさを増す中で、米国がインドとの関係強化を進めていることが背景にあるとみられる。
- 米中摩擦の激化から、アップルは生産拠点の大半を置いていた中国からインドへの分散を進めている。2024年3月期にアップルが生産したiphoneの14%がインドで組み立てられたものであり、その後もインド製が増加傾向にある。
【外交】
- 中国が1964年に核実験に成功した10年後、インドも初めての核実験を実施。中国への対抗措置だったと言われる。米国とソ連を中心とした冷戦下において、軍事面でインドを支えたのは、中国との対立が表面化していたソ連だった。
- 中国は、インドと歴史的に対立するパキスタンに接近し、2013年には習近平国家主席が「一帯一路」を打ち出し、パキスタンのインフラ整備を支援した。
- 2020年には、中国とインドの国境地帯にあるガルワン渓谷で双方の兵士が衝突し死者が出た。
- ロシアのウクライナ侵攻後、インドはロシア産の石油の購入を10倍以上に急増させた。インドにとって、市場価格よりも格安で石油を売ってくれるロシアは重要な国だ。
- 2025年4月にはインドが実効支配するカシミール地方で、ヒンドゥー教徒の観光客26人が射殺された。その直後に犯行声明を発表したのは、隣国パキスタンが拠点と疑われる過激派組織だった。
- インド軍はその報復としてパキスタン領内の「テロの拠点」を標的にした攻撃を開始した、双方互いの軍事拠点をドローンやミサイルで攻撃し合い、数日後に停戦した。
- インドは近隣諸国ファースト政策を掲げるが、パキスタンはその例外として扱っている。
インドの現在と未来に興味をお持ちの方におススメします。
14億人超が暮らし、人口世界一となったインド。
マイクロソフトやグーグルなど、世界の名だたる企業のトップに名を連ね、20年代後半にはGDPで、米中に次ぐ世界3位になると予測される。
上昇志向と加熱する受験、米政財界への浸透、「モテ期」の到来と中国・パキスタンとの衝突……
教育・外交・経済・文化的側面から、注目を集める国の『今』に迫る。
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(amazonより抜粋して引用)

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