なぜ重力は存在するのか 世界の「解像度」を上げる物理学超入門 / 野村泰紀

2025年6月14日土曜日

ノンフィクション

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素粒子論、宇宙論を専門とする野村泰紀教授が、「なぜ重力は存在するのか」について、解説します。

この本の表紙には、「ニュートン力学から相対性理論、量子力学まで・・・宇宙を支配する力に迫る知的探求の旅」、そして、「14歳でも理解(わか)る!」と書かれていて、難解な理論の象徴的な部分が、数式を使わず平易な言葉で説明されています。
私の印象に残った、解説の一部をご紹介します。

【速度の概念】

  • ガリレオの相対性理論によれば、速度という概念は、観測者に対する物体の速度のような「相対速度」のみ意味を持つものであった。
  • ところが、マクスウェルの方程式を解くと、「何に対する速度なのか」という情報を入れなくても、光の速度が秒速約30万㎞と算出できてしまう。
  • 地球の公転方向(東西)に進む光の速度と、公転方向と垂直(南北)に進む光の速度を測定した結果、それらは全く同じことが実験で証明され、光には速度合成の法則が当てはまらないこと(光速不変の原理)が確認された(1887年)。

【時間の概念】

  • ガリレオの相対性理論とマクスウェルの方程式の矛盾を解消するため、アインシュタインは「光の速度は誰から見ても秒速約30万㎞である」と考えた。
  • アインシュタインは、次のような思考実験をする。一定の速度で走る電車内で、床から光を発し、天井で反射させて床に戻ってくるまでの時間を計測する。このとき、それを電車内で観察した場合には光は床面と垂直方向のみに進んで戻ってくるのに対して、電車の外から観察した場合には、光は床と垂直ではなく電車の進行方向に斜めに進むので光の経路長が長くなり、光が進んだ距離は2つの場合で互いに異なることになる。光の速度が不変ならば、電車の中と外の二人の観察者では、光を発して戻ってくるまでの時間が異なっていることになる。
  • このような種々の思考実験から、アインシュタインは、時間は絶対的なものではなく見る人の立場によって伸びたり縮んだりする相対的なものであるとする「特殊相対性理論」を構築した(1905年)。

【重力】

  • 「特殊相対性理論」から約10年後に、アインシュタインは、物体が持っているエネルギーが時空のゆがみ具合を決めることを表す「重力場方程式」を導き出すことに成功し、一般相対性理論を発表した。
  • それによると、柔らかい布の上にボールを置くと周囲の布の表面がゆがむように、物質があるとその周囲の時空がゆがむ。それをゆがんだ時空の中から見ると重力が働いているように見えるのだという。

【粒子と波】

  • アインシュタインが1905年に、それまで波だと考えられていた光を粒(光子)と考える「光量子仮説」を発表したのに対し、ド・ブロイは1924年に、それまで粒子と考えられていた電子を波と考え、さらにすべての物質は波であるという「物質波」の概念を提唱した。
  • シュレーディンガーは1926年に、物質波の伝わり方を計算する方程式(シュレーディンガー方程式)を発表する。
  • 同じ1926年にマックス・ボルンは、シュレーディンガー方程式の波動関数Ψの絶対値を二乗したものは、電子がその場所で発見される確率に比例するという「波動関数の確率解釈」を発表する。

【パラレルワールド】

  • 1957年には、「多世界解釈」という考え方が発表された。これは、シュレーディンガーの猫の例で言えば、観測者が箱を開ける前は、猫が生きている状態と死んでいる状態の重ね合わせになっているが、観測者が箱を開けた時、「猫が生きている状態を見る世界」と「猫が死んでいる状態を見る世界」がパラレルに存在する、という解釈である。

【真空とは】

  • 場の量子論により、真空は決して何も存在しない静寂な空間ではなく、いたるところで粒子と反粒子がペアで生まれては消えている忙しい空間であることがわかってきた。

【未知のエネルギーと物質】

  • 宇宙の膨張スピードは、重力により減速しているものと考えられていたが、1998年、予想に反して加速していることが観測から明らかになった。これは、宇宙のエネルギーの大部分は物質によるものではないということを意味しており、宇宙の膨張を加速している未知のエネルギーは「ダークエネルギー」と呼ばれている。
  • ダークエネルギーは全宇宙の7割を占め、残り3割が物質によるエネルギーであるが、この「物質」の大部分も私たちの目には見えない未知の物質「ダークマター」である。

【超ひも理論】

  • 重力と量子力学を統合できる可能性のある理論として最有力候補とされているのが1970年代に提唱された「超弦理論(超ひも理論)」である。
  • これは、物質の最小部品である素粒子が、大きさを持たない点ではなく、長さを持つ弦(ひも)でできていると考える理論である。

重力と宇宙の謎に迫りたい方におすすめします。

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本書では、カルフォルニア大学バークレー校教授で
理論物理学者の野村泰紀さんが、
「ニュートン力学」や「相対性理論」
といった古典物理学から、
「量子力学」などの現代物理学
に至るまでを概観しつつ、
「重力はなぜ存在するのか?」
という謎に迫ります。

宇宙を動かす根源的な仕組みや、
自然界を支配する法則への理解がぐっと深まる、
読むだけで世界の「解像度」が上がる一冊です。
(amazonより抜粋して引用)

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関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
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