第三のチンパンジー 完全版(上) / ジャレド・ダイアモンド

2025年10月11日土曜日

ノンフィクション

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進化生物学や人類生態学等を専門とするダイアモンド博士が、「何がヒトを人間たらしめるのか?」という難問に迫ります。

人間の遺伝子は、ボノボやチンパンジーの遺伝子と約2%(その後の研究では約5%/訳注)しか違わないそうです。だから、もし宇宙人が見たら、人間を第三のチンパンジーと分類するだろうと、著者は言います。
ホモ・サピエンスが出現したのはおよそ50万年前とされていますが、初期のホモ・サピエンスは解剖学的には分岐前のホモ・エレクトスと異なるものの、文化的・技術的にはホモ・エレクトスと同等で、火は使えるものの壁画や住居や弓矢を使うようになったのはそこから数十万年先だったのだとか。
つまり、骨格と遺伝子が現代人とほぼ同じというだけでは、現代人の行動様式を引き起こすには不十分というわけです。
著者は、人類の声帯が変化し、きめ細かいコントロールにより幅広い声が出せるようになったことが、知識を教えあったり共同で作業することを容易にし、結果として文明の大躍進につながったのではないかと推測します。
しかし、そのわずかな変化の証拠を見つけるのは難しいだろうとも。

著者は、性行動に関する進化の様々な謎についても、いくつかの説を紹介します。
  • ヒトのペニスが、ゴリラ、オラウータン、チンパンジーのものより(平均的体格に比して)特別大きいのはなぜか?
  • ヒトの排卵時期が他人からわかりにくく隠された理由は何か?
  • 排卵時期以外にする交尾(セックス)には進化生物学的にどのような意味があるのか?
  • ヒトだけが他の個体から見えないところで交尾(セックス)をするのはなぜか?

また、人種や民族による体の特徴についても様々な説が挙げられます。
  • 民族によって肌の色が異なるのはなぜか?
  • 民族によって髪の色や目の色が異なるのはなぜか?
(どちらも地域による太陽光の強さだけでは説明できないようです)

更に、ニューギニアの鳥の生態から、芸術の謎にも迫ります。
・雄のアズマヤドリが美しい巣を作るのはなぜか?

人類はなぜ今のような姿と生態にたどり着いたのか、まだまだ沢山残されている謎に迫りたい方におススメします。


宇宙からきた生物学者は、ヒトを「第三のチンパンジー」に分類するだろう。
なぜなら、ヒトとチンパンジーの遺伝的距離は驚くほど小さく、非常に近い関係にある鳥同士よりもずっと近い関係性だからだ。
だが、わずか数万年の間に、ヒトは人間へと進化した。
何が人間とチンパンジーとを分けたのか? ダイアモンド博士の原点とも言える名著に、原書ペーパーバック版のために書き下ろされた補遺2点も収録した完全版。
王立協会科学図書賞受賞作。
(amazonより抜粋して引用)

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関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
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