移民は世界をどう変えてきたか / ギャレット・ジョーンズ

2025年2月14日金曜日

ノンフィクション

t f B! P L

マクロ経済学を専門とする著者が、移民がもたらす文化が受け入れ国の社会、政治、特に経済にどのような影響を及ぼしてきたか、解説します。

ある国の現在の繁栄は、西暦1500年以降
先進的な統治制度が整い
農業が定着し
技術的に進んだ国から、
どれほどの人が移り住んできたかという先祖の歴史に左右されると、著者は主張します。
移民は、自国の文化を移住先の国に持ち込み世代を超えてその行動特性を不完全ながらも受け継ぎ移住先の国の経済を劇的に変えていくのだと。
イタリア系移民がアメリカに持ち込んだスパゲッティは、アメリカ料理と本来のイタリアのスパゲッティの中間地点まで互いに歩み寄り、アメリカの新しい文化になった。このような移民文化の不完全な同化を著者は「スパゲッティ理論」と呼びます。
著者はまた、「多様性はパフォーマンスを高める」という主張を支持するエビデンスには限界があり、移民による民族や文化の多様性は国の経済を脆弱にし、社会的信頼を弱め、市民の対立を生むおそれがあると説明します。
特に、イノベーションを生み出してきた富裕国に貧困国から大量の移民が流れ込むと、富裕国の統治と制度が打撃を受け、イノベーションの創出が停滞し、イノベーションの成果を享受する全世界の人々が損失を被ることになると警鐘を鳴らします。
しかし一方で著者は、東南アジアの華人ディアスポラに注目し、世界の貧困国では、中国からの大量移民の利益が、暴力的な民族的対立のリスクを含む代価を大きく上回ると結論します。

人口が減少しつつある日本にとって、移民の受け入れは大きな論点となっています。移民が受け入れ国にどのような影響を与えるか、興味をお持ちの方におススメします。


・移民と、移民がもたらす文化が与える影響は何か、経済にとって本当にプラスなのか?
・移民文化の多様性、習慣、政治文化などがもたらす変化とは?
――世界史的なスケールの視野で計量分析された諸研究を整理・紹介

移民への姿勢で大きく二分された世界において、シリア難民をめぐる議論やトランプ政権下の「国境の壁」問題など、緊張感が一層高まっている。 本書では、近年著しく発展している計量分析手法を用いて、移民や彼らの文化がもたらす効果・影響を重層的に整理、分析する。
マクロ経済学・経済史的な視点から、壮大なタイムスケールで移民が移住先の社会・経済に与えてきた影響を考察する。
(amazonより抜粋して引用)

このブログを検索

ブログ アーカイブ

自己紹介

自分の写真
関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
医療・医薬に関する一般向けの本、母のための老人施設・介護の本、私が興味を持つ科学、音楽、歴史に関する本、時事解説本、小説など、年間100冊程度読んでいます。
私が実際に読んでぜひ皆様におすすめしたいと思った本やその関連情報をこのブログで発信していきます。

インドの野心 / 石原孝、伊藤弘毅

リンク 朝日新聞の記者としてニューデリー支局に勤務した経験を持つ著者2名が、文化、教育、経済、外交などさまざまな角度から「急成長する大国インドの実像」を描いた新書です。 世界最大の人口 を抱え、 若年層が多い という強みを持つ一方、 教育格差や雇用不足 、 宗教・...

フォロワー

QooQ