アメリカの悪夢 / デイヴィッド・フィンケル

2024年12月5日木曜日

ノンフィクション

t f B! P L

ピュリツァー賞を受賞した元ワシントン・ポスト記者の著者が、2020年のアメリカ大統領選挙を前にしたアメリカ国民の分断を描いたノンフィクションです。

イラク戦争(2003年)では陸軍副司令官として前線に赴き、その後イスラエルにも派遣されたブレント・カミングス元大佐の目を通じて、トランプ大統領の不誠実な言動に対する疑念や、トランプに煽られ熱狂する人たちへの違和感が描かれます。
カミングス元大佐の隣家に住む同世代のマイケルは、筋金入りのトランプ支持者で、民主党を「社会主義者たちの集まりだ」と述べて嫌悪感を隠しません。民主党政権になったら、護身用の銃を全て取り上げられ、身を守ることができなくなると信じているのです。

私の印象に残ったカミングス元大佐の心の声を、以下にご紹介します。
  • トランプがヒラリー・クリントンのことを「不正まみれのヒラリー」と言ったことから、群衆は「あの女を刑務所にぶちこめ!」と口を揃えて叫ぶようになった。(中略)ブレントは不思議に思っていた。トランプは自分が煽っていることを知っているのだろうか。それが招いているのが暴力だとわかっているのだろうか。
  • 毎日がそうだった。死にそうになっていた。イラクでの14か月、陸軍での28年間、民主主義を守るためという名の下で。今、彼は民主主義を守ろうとしていない。民主主義の中にいて、いままさにそれが破綻するのを感じていた。
  • 群衆が国会議事堂に襲い掛かる様子を見ていると、自分はずっと世間知らずだったのだと思った。アメリカ人は暴力の意味を理解していたのだ。(中略)イラクの地ではなく、ここアメリカでも戦争があり、敵はもはやイラク人ではなかった。隣で暮らすアメリカ人になっていた

2024年の大統領選挙で、トランプは再び大統領に返り咲くことになりました。アメリカ国民や世界の人々の致命的な分断を憂慮されている方に、この本をおススメします。


《アメリカを代表するピュリツァー賞ジャーナリストが二度の大統領選挙に挟まれた四年余りを丹念に取材し放つ最新作》

不誠実なトランプ大統領に違和感を抱いている元軍人の主人公カミングズと、熱烈なトランプ支持者が隣りあって暮らすジョージア州の町を舞台に、人種差別、BLM運動、イスラエル・パレスチナ問題を交えつつ、国家規模の分断にあえぐ市民たちの姿をありありと描く。

世界の政治、経済、戦争に絶大な影響を及ぼす超大国のいまを理解するための必読書。
(amazonより抜粋して引用)

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関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
医療・医薬に関する一般向けの本、母のための老人施設・介護の本、私が興味を持つ科学、音楽、歴史に関する本、時事解説本、小説など、年間100冊程度読んでいます。
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