リンク
防衛省の防衛研究所防衛政策研究室長であり、ロシア・ウクライナ戦争等についてニュース番組でしばしば解説をしている高橋氏が、「自衛隊」と「国防」の最新情報を分かりやすく整理して説明してくれる本です。
日本の厳しい安全保障環境の中、政府は防衛費を大幅に増額し、今後5年間で43兆円を支出することを決めました。国民はそのような政府の方針や政策について、支持する/支持しないを議論し、選挙で意思表示する権利を持っています。
しかし、日本では長らく「軍事」がタブー視されてきたこともあり、防衛政策について議論するのに必要な知識が国民に十分に共有されていないきらいがある、と著者は懸念し、この本ではなるべく専門用語を使わず、必要な知識に絞って説明したとのことです。
著者が解説してくれた「自衛隊」と「国防」について、私の印象に残ったことの一部をご紹介します。
【米国、中国、日本、北朝鮮の軍事力】
- 海軍と空軍の総合戦力で、米国:中国は10:7。ただし、米国がアジアに展開できる戦力は約半分なので、アジアに限って見れば、米国:中国は5:7となる。
- 世界に展開している米軍をアジアに集めるには時間がかかるので、中国はその前に短期決戦で勝負をつけようとするかもしれない。
- そこで、米国の5に日本が2を加勢できれば、日米:中国は7:7となり、中国を抑止することが可能になる。この観点で、今後の日本の防衛力増強が重要であり、それが2022年12月の防衛3文書策定の前提となった。
- アメリカは、中国に対する防衛ラインをグアムまで下げ、東アジアの問題から撤退するという選択肢が常にある。しかし日本は、国土が東アジアにあるので、この問題から退場することはできない。
- 北朝鮮のミサイル発射は「挑発」と呼ばれるが、もはや挑発の段階は過ぎて、兵器として完成したものを実戦で使うために訓練しているケースが多くなっている。
【”Too Late,Too Much”のアメリカ】
- フセイン大統領が駐イラク米大使に、イラクがクウェートに侵攻した場合の米国の対応について探りを入れた際、アメリカははっきりした回答をしなかったため、フセインは黙認の約束を取り付けたと理解しクウェートに侵攻し、結果として湾岸戦争が始まった。アメリカは、当初は態度を明確にせず、後になって大規模な軍事作戦を展開する”Too Late,Too Much” の傾向がある。
- 仮に中国が台湾に武力侵攻するときに、米国が”Too Late,Too Much”の行動をとってしまうと、結果的に米国が勝利したとしても、その時すでに日本は焼け野原になっているおそれがある。いかにアメリカに最善の選択をさせるか、日本はじっくりと考えておかなくてはならない。
【軍事力以外の安全保障機能】
- 近年の国家間対立では「認知戦」が重要。「認知戦」とは、意思決定に恣意的な影響を与えることで、戦争をさせない、戦争に至ることなく相手の政策を変えてしまう戦い方である。
- 安全保障には、軍事だけでなく、Diplomacy, Information, Military, Economyという要素が綿密に結びついている。これらを頭文字をとって”DIME”と呼ぶ。
【防衛費増額の目的】
- 空自のスクランブルの回数は過去20年間で4~6倍に増えるなど、自衛隊の任務は激増してるが、予算は10~15%しか増えていないので、現状では整備部品や弾薬の不足が常態化している。
- 2022年に発表された戦略3文書では、5年間で43兆円の予算を投じることが示されたが、そのうちの15兆円(約35%)は、不足している整備部品や弾薬を補充するなど、自衛隊の能力を本来のスペックに戻すために使われる予定である。
【日本のBMDと反撃能力】
- 日本は2003年以降、北朝鮮の核ミサイル開発を受けて弾道ミサイル防衛(BMD:Ballistic Missile Defense)を整備してきた。現在、射程1000km程度のミサイルに対する本土防衛用のミサイル防衛システムを整備し、全土をカバーできているのは世界の中で日本だけである。
- 日本のBMDは、イージス艦から発射するイージスBMDブロックⅠA,ⅡAが日本全土の高高度をカバーし、打ち漏らしたミサイルが危険な場所に落ちないよう射程の短いPAC-3で特定の場所を守るという構成になっている。
- 日本に対する第一撃はBMDにより対処することが可能であるので、基本的には第一撃を受けた後で、日本は反撃能力を使用することになる。敵が武力攻撃に着手したがまだ攻撃していないという段階で日本から攻撃するか否かは、その後の国際的立場を考えて判断することになる。
【これからの形】
- 対地攻撃用のミサイルの精度がすさまじい勢いで向上しており、格納庫や駐機場にいる戦闘機を正確に撃破できるようになる可能性がある。そうなると戦闘機の存在意義が失われる可能性がある。
- これからの戦争は、宇宙やサイバー、電磁波を含めた全体を見渡しながら戦いをデザインしていく必要がある。
- 防衛力は、外交や経済と並ぶ、戦争を防ぐための手段の一つであり、それぞれの手段の効果と限界を理解し、最適な形で組み合わせていく必要がある。
日本の防衛政策を議論するための前提となる現状を正しく把握したい方におススメします。
「日本が戦争に巻き込まれる日」は果たして来るのか―――。
ニュースやワイドショーでおなじみ、我が国きっての安全保障の第一人者、防衛研究所室長・高橋杉雄が語り尽くす!
高まる中国やロシアの脅威、台湾有事への危機感、相次ぐ北朝鮮による弾道ミサイル発射………。
戦後一貫して「専守防衛」を掲げてきた日本にとって、今本当に必要な防衛力、これからの国防のあり方とは何か。
そして、大きく変貌を遂げようとしている自衛隊の現在とは。
風雲急を告げる我が国をめぐる安全保障について、当代一のエキスパートが丁寧にわかりやすく解説した一冊。
専門知識は不要。今こそ知っておくべきこと、日本国民としてもう知らないでは済まされないことが満載!
「自衛隊」と「国防」の最前線が一番よくわかる、まさに全国民必読の書です。
ニュースやワイドショーでおなじみ、我が国きっての安全保障の第一人者、防衛研究所室長・高橋杉雄が語り尽くす!
高まる中国やロシアの脅威、台湾有事への危機感、相次ぐ北朝鮮による弾道ミサイル発射………。
戦後一貫して「専守防衛」を掲げてきた日本にとって、今本当に必要な防衛力、これからの国防のあり方とは何か。
そして、大きく変貌を遂げようとしている自衛隊の現在とは。
風雲急を告げる我が国をめぐる安全保障について、当代一のエキスパートが丁寧にわかりやすく解説した一冊。
専門知識は不要。今こそ知っておくべきこと、日本国民としてもう知らないでは済まされないことが満載!
「自衛隊」と「国防」の最前線が一番よくわかる、まさに全国民必読の書です。
(amazonより抜粋して引用)

0 件のコメント:
コメントを投稿