詭弁論理学 / 野崎昭弘

2024年10月25日金曜日

ノンフィクション

t f B! P L

数学者である著者が、詭弁・強弁を分析して解説してくれる本です。1976年の初版から2015年には64版が発行された、読み継がれている名著です。

自称「議論べた」でいつも後悔ばかりしているという著者が、なまじ「議論上手」になって人に嫌われるよりは、天分を生かして「話上手」になるか、あるいは「勝てなくてもよい」という前提で議論を楽しむ「ゆとり」を身に着けた方がはるかに好ましいのではないか、という観点で、詭弁術から論理パズルまで語ります。
私の印象に残った著者の解説と意見の一部をご紹介します。
  • 議論に強いからといって頭が良いとは限らない。昔から「無学者、論に負けず」というように、相手の言うことがまるでわからない(わかろうとしない?)石頭のほうが、えてして自分の言いたいことを押し通してしまったりするものである。
  • 「どこが悪いのか?」は、強弁術の一つのテクニックである。大体、論証ないし説得というのは難しいものなので、それを相手に押し付けてしまえば、半分勝ったといってもさしつかえない。
  • 「二分法」とは、人々や考え方などを、ある原理的な基準で二つに分けてしまう考え方をいう。中間的な場合を考えなくてよいか、(「私は天使でなく悪魔だ」のように)開き直ったらどうなるか、に着目するとよい。
  • 「相殺法」とは、相手の言うことに賛成してみせながら、「しかし、こういうこともある」と重箱の隅をつつくようなことを言い出して、相手の言い分を帳消しにしてしまう作戦である。相殺される事柄のバランスは取れているか、がポイントである。
  • 「部分より全体に及ぼす誤り」とは、特定の一部にあてはまる話を、全体に置き換えることをいう。これは「言い換え」ではなく、「詭弁」である。
  • 詭弁術の基本的な対策は、健全な常識と判断力を養うことである。いかに力強い言葉で説得されようとも、結論が間違っていると判断したら、反論は「あなたの考え方には、ついていけません」だけでよい
  • 「わからない」ことを恥ずかしがらず、わかるところまで戻って議論をやり直してもらう逞しさを身につけておけば、詭弁などにめったにやられるものではない。

この本の最後に、必ず正直に答えるチャーチルと、必ずウソを答えるヒトラーが立っている分かれ道で、Yes/Noの質問を一回だけして「天国に行く道」を正しく知る方法という論理パズルがありました。
子供のころにやった記憶はありましたが、正解は思い出せず、考えてもわかりませんでした。正解を読むと、「なるほど!」

簡単に騙されないよう、詭弁・強弁を深く知りたい方におススメします。

知的な観察によって、人を悩ます強弁・詭弁の正体を見やぶろう。
言い負かし術には強くならなくとも、そこから議論を楽しむ「ゆとり」が生まれる。
ルイス・キャロルのパズルや死刑囚のパラドックスなど、論理パズルの名品を題材に、論理のあそびをじっくり味わおう。
それは、詭弁術に立ち向かうための頭の訓練にもなる。
ギリシャの哲人からおなじみ寅さんまでが登場する、愉快な論理学の本。
「鏡と左右」問題つき
(amazonより抜粋して引用)

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関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
医療・医薬に関する一般向けの本、母のための老人施設・介護の本、私が興味を持つ科学、音楽、歴史に関する本、時事解説本、小説など、年間100冊程度読んでいます。
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