日本を覆う8割の絶望と2割の希望 / 辛坊治郎

2024年10月13日日曜日

ノンフィクション

t f B! P L

読売テレビのニュースキャスターや解説委員長等を歴任した著者が、日本の現状を嘆き、将来を憂い、日本の何が間違っているかを指摘する本です。

2023年9月に発行された本ですが、2024年10月に読んでみて、この本に書かれた状況はほぼ変わっておらず、執筆時点の著者の予想より若干悪い方に進んでいる印象を受けます。
私の印象に残った著者の意見、主張の一部をご紹介します。

【同性婚法制化と憲法改正】

  • 同性婚法制化を求める人達は、同時に憲法24条(婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し…)の改正を求めないと辻褄が合わないが、その方面の活動家から憲法24条改正の主張は聞こえてこない
  • これは、同性婚法制化を求めている中心層左派リベラル色が強く、「憲法9条維持」や「護憲」を求めているので、たとえ同性婚法制化のためであっても、憲法改正は認めたくないからである。

【年金制度】

  • 日本の年金の制度設計の柱は、「現役世代の平均給与の50%の年金支給」であるが、国民年金の財政は苦しく、今のままでは将来、年金の支給月額が今の価値で5万円を下回ることが確実になっている。だから、年金加入期間を5年延長する*などして掛け金収入を増やし、なんとか支給月額5万円を確保しようとしているというのが本音である。(*実際には2024年7月の年金部会で、各方面からの圧力によりこの5年延長案が取り下げられたため、私たちが受け取る将来の年金月額は更に減る方向となった)

【昆虫食】

  • 肉の生産には多くの植物(エサ)と水が必要だが、昆虫ならば同じ量の植物と水で牛や豚の比較にならないほどのタンパク質を短時間で大量に生産できることがわかり、世界中で研究されている。
  • 円安が進めば、日本の酪農家が輸入飼料を買えなくなる恐れがあり、昆虫食は救世主になりえる。
  • 昆虫を直接食べるのはハードルが高いので、魚の養殖のエサに使うことなどが検討されている。

【東芝レグザ】

  • 日本におけるテレビの出荷台数1位はレグザだが、この会社(TVS REGZA株式会社)、東芝が持っている株式は5%のみで、実質は中国メーカー傘下の企業になっており、レグザを見ている日本人の視聴データは中国に筒抜けと考えるべきであろう。

【少子化対策】

  • 少子化対策として、児童手当では効果がないことがわかったのだから、フランスのようにN分N乗方式(世帯所得÷世帯人数に応じた塁審課税方式)を採用するべきである。そうすれば、所得の多い(≒生きる力の強い)親のいる家庭で、たくさんの子供を育てる動機付けになる。

【放送法と言論の自由】

  • 戦後、民間企業が放送に乗り出すにあたり、国家が企業に放送免許を与えて、希少資源たる電波の独占的な使用権を認めることとし、放送局は、希少資源の独占使用を認められた者の責任として政治的公平などが義務付けられた
  • 日本の政治家と(旧郵政省)官僚は、直接関与できない活字メディアの言論に影響力を確保するため、各新聞社に1つずつ地上波放送局のネットワークを付与した。
  • これにより、新聞の言論には手が出せないが、放送局には、電波法と放送法を使って国が関与できるようになった。しかしこれは、憲法21条違反の臭いがする。

日本の困難な現状を理解するとともに、将来の小さな希望を見つけたい方におススメします。

この本は私の「遺言」です
●マイナンバー制度の根本的問題
●岸田政権が触れたくない同性婚問題
●今の市区町村をすべて廃止しよう
●昆虫食騒動の背景
●万博に寄せる希望
●ジャニーズ性加害とマスコミの変節
●新聞と絶望感 ほか

民主主義の日本で、未来を決めるのは国民自身です。日本国民は今、歪んだマスコミ報道によって判断に足るまともな情報を入手できず、その結果、正しい未来の選択をできずにいるのです。40年以上の長きにわたって「マスコミ」の住人だった私には、その構図が鮮明に見えます。
私は早晩この世を去ります。だからこそ未来を生きる世代の皆さんには、少なくとも私が体験した以上の明るい世界を体感してほしいのです。私の次の世代の皆さんが、私たちの世代よりも確実に豊かで幸せな人生を送ることが、私の最大の望みです。冒頭、「この本は私の遺言です」と書きましたが、「遺言」が目指すものは「豊かな未来の設計図」です。(本書「おわりに」より)
(amazonより抜粋して引用)

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関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
医療・医薬に関する一般向けの本、母のための老人施設・介護の本、私が興味を持つ科学、音楽、歴史に関する本、時事解説本、小説など、年間100冊程度読んでいます。
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