世界で最初に飢えるのは日本 / 鈴木宣弘

2024年10月18日金曜日

ノンフィクション

t f B! P L

農業経済学と国際経済学を専門とする著者が、日本の食料危機について警鐘を鳴らす本です。

日本の食料自給率は37%と言われていますが、種や肥料の海外依存度を考慮すると、実質的な食糧自給率は10%に届かないと著者は分析します。
そしてそこへ、世界的な不作や戦争等による物流の混乱や禁輸が生じれば、日本は簡単に飢餓に陥ると。
「お金を出せば輸入できる」を前提とした食料安全保障はもはや通用しない。不測の事態に国民の命を守ることが国防ならば、国内の食料・農業を守ることこそが防衛の要、安全保障だと、著者は主張します。
私が興味を持った著者の分析と主張の一部を以下にご紹介します。

【真の食料自給率】

  • 日本の野菜の食料自給率は約80%だが、化学肥料の原料となるリンとカリウムについてはほぼ100%、尿素についても96%を輸入に頼っている。
  • 鶏卵の自給率は97%だが、鶏のヒナと、エサのトウモロコシは、ほぼ100%輸入に頼っている。
  • 2020年の真の食料自給率は、コメで10%、野菜で8%、豚肉で6%、鶏卵で12%である。

【食料危機の原因とアメリカの戦略】

  • 2008年の食糧危機の原因はオーストラリアの干ばつだと言われているが、危機を増幅させたのはバイオ燃料であった。原油価格が高騰したために、バイオエタノール等の代替燃料の需要が高まり、食料としての穀物が不足したのである。
  • アメリカは自国の農業には手厚い支援を行い、貿易相手国に対しては徹底的な規制緩和と関税撤廃を求めることにより、相手国の農業を補助金漬けのアメリカ産作物で駆逐している。これにより、世界中がアメリカを始めとする少数の食料供給国に依存するようになってしまった。
  • 「日本のように生産コストの高い国は食料を作るより他国から買う方が効率よい分業になる」とか「自由貿易を推進して調達先を増やすことが大事だ」という意見があるが、世界的な食糧危機に直面しお金で食料が買えなくなったらどうするかという話をしているのだから、お金で買える平時の前提で話をされては議論にならない。

【日本の農業支援政策】

  • 食料自給率を上げて国民の命を守るということは、アメリカからの輸入を減らすことを意味する。アメリカ側が嫌がるのが目に見えているので、政治家も官僚もその方向の政策はやろうとしない
  • 今、日本政府がやるべきことは「国産振興」だが、実際には農家への支援を減らしている。
  • 一般に、日本の農業は高関税で守られた閉鎖市場だと思われているが、OECDのデータによれば日本の農産物の関税率は11.7%で、農産物輸出国の1/2~1/4の水準である。
  • 日本の農家の所得(収益ー経費+補助金)に対する補助金の割合は3割程度イギリス、フランスで90%以上スイスでは100%であり、日本は先進国で最も低いレベルである。

【食の安全に関する警鐘】

  • 政府が多国籍企業と結託したとしても、消費者が拒否すれば危険な食品を排除できることはアメリカの牛成長ホルモンの事案で証明されているが、日本の消費者の意識は低い。世界中でホルモンフリー牛肉のニーズが高まっている中、日本では議論すらされていない。
  • ゲノム編集作物については、予期せぬ遺伝子損傷や新たなアレルゲンの出現などが学会誌で報告されていて、従来の遺伝子組み換え作物と同等の審査と表示義務を課す国もあるが、日本は「届出のみ、表示なし」で既に流通が始まっている。

飢餓とは縁遠い国と思っていた日本が「世界で最初に飢える」という衝撃的な警告について詳しく知りたい方、ぜひご一読ください。

いまそこに迫る世界食糧危機、
そして最初に飢えるのは日本、
国民の6割が餓死するという衝撃の予測……

アメリカも中国も助けてくれない。
国産農業を再興し、
安全な国民生活を維持するための具体的施策とは?
(amazonより抜粋して引用)

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関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
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