汝、星のごとく / 凪良ゆう

2024年8月24日土曜日

小説

t f B! P L

瀬戸内の小さな島を舞台に、高校生の井上暁海と転校生の青埜櫂が出会い、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく物語です。

暁海の父は家庭を捨てて愛人と同棲していて、母の酒量は日々増えていく一方。
櫂の父親は櫂が生まれてすぐに亡くなり、母親は男に頼る生き方しかできず、男に捨てられるたびにぐしゃぐしゃに泣いてすがる女。
櫂はそんな母が経営するスナックを手伝わざるを得ない状態です。

親を頼れない2人が互いに惹かれ合っていくシーンは読んでいて幸せなのだけれど、「いいことが起きたあとは、ふたつ悪いことが起きる。うまくいっているときほど気を引き締めろ。人生は甘くない。」という櫂の信条そのままに、物語は甘くない展開を見せます。
宵の明星のことを「夕星(ゆうづつ)」と呼ぶことを、暁海は櫂から教えられますが、その後、2人は別々の場所で夕星を見上げてはお互いの事を思い出します。
あぁ、切ない。
そしてようやく…。

「みんな違ってみんないい」はずなのに、多数派と少数派には心の距離があり、生態の違う魚のようにわたしたちはすれ違う」という現実が描かれます。

「普通の家庭」、「普通の人」、「普通」って何だろう?
「普通」じゃなくても本人がいいならそれでいいのでは?と考えるきっかけを与えてくれる、素敵な小説です。

その愛は、あまりにも切ない。

正しさに縛られ、愛に呪われ、それでもわたしたちは生きていく。
本屋大賞受賞作『流浪の月』著者の、心の奥深くに響く最高傑作。

ーーわたしは愛する男のために人生を誤りたい。

風光明媚な瀬戸内の島に育った高校生の暁海(あきみ)と、自由奔放な母の恋愛に振り回され島に転校してきた櫂(かい)。
ともに心に孤独と欠落を抱えた二人は、惹かれ合い、すれ違い、そして成長していく。
生きることの自由さと不自由さを描き続けてきた著者が紡ぐ、ひとつではない愛の物語。

ーーまともな人間なんてものは幻想だ。
俺たちは自らを生きるしかない。
(amazonより抜粋して引用)

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関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
医療・医薬に関する一般向けの本、母のための老人施設・介護の本、私が興味を持つ科学、音楽、歴史に関する本、時事解説本、小説など、年間100冊程度読んでいます。
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