バッタを倒しにアフリカへ / 前野ウルド浩太郎

2024年8月23日金曜日

ノンフィクション

t f B! P L

アフリカで大発生し、農作物を食い荒らすサバクトビバッタの防除技術について研究する著者が、無収入の恐怖と戦いながらアフリカの大地でバッタを追い求める研究体験記です。

表紙の写真と著者のミドルネーム「ウルド」に目を奪われますが、アフリカならではの苦労が著者の個性的な言葉で語られ、内容的にも十分に充実しています。
アフリカ西部モーリタニアの国立サバクトビバッタ研究所の人々や、「彼女を浜辺で追いかけるように」バッタを執拗に追いかけ回す著者の姿が、生き生きと描かれます。
サバクトビバッタは、普段は緑色や茶色の「孤独相」とよばれる形態で性質もおとなしいのですが、数が増えるときには黄色と黒のまだら模様を持つ「群生相」という形態になり性質が凶暴になるのだそうです。

そして、「群生相」の成虫が大量発生すると農作物に大きな被害が生まれ、駆除には莫大な費用がかかるため、幼虫の段階で駆除する必要があるが、広いアフリカで「群生相」の集団を幼虫の段階で発見するのは、なかなか難しいのだとか。
現地の人々との交流、フィールドワークの危険と苦労、「群生相」の大量発生になかなか遭遇できない焦り、無収入になることへの恐怖などが、研究者の切実な想いが伝わってくると同時に、ユーモラスで自虐的な語り口が笑えます。

そして著者は、現地での研究が認められ、「昆虫学者になる」という子供の時からの夢をついに叶えます。
「夢を叶える最大の秘訣は、夢を語ることだったのかな」という著者の言葉が素敵です。

アフリカの大地で研究活動を行う個性的なバッタ博士の活躍を知りたい方に、おススメします。

バッタ被害を食い止めるため、バッタ博士は単身、モーリタニアへと旅立った。
それが、修羅への道とも知らずに……。
『孤独なバッタが群れるとき』の著者が贈る科学冒険ノンフィクション!
(amazonより抜粋して引用)

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関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
医療・医薬に関する一般向けの本、母のための老人施設・介護の本、私が興味を持つ科学、音楽、歴史に関する本、時事解説本、小説など、年間100冊程度読んでいます。
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