リンク
中国問題を専門とする社会学者・作家の遠藤誉氏が、世界の覇権を争う米国と中国それぞれの狙いを解説し、その中で日本が戦争に巻き込まれないために取るべき道を示します。
第二次世界大戦後の世界の戦争や内紛のほとんどは、1983年までは米国中央情報局(CIA)が、1983年以降は全米民主主義基金 (NED)が起こしていることを発見したと著者は言います。NEDは第二のCIAと言われる組織で、どこかに自国政府に不満を持つ人がいると「民主化を支援する」という名目でそれらの人々の活動を支援し、現存の政府を転覆させ、親米政権を立て、米国の軍事産業を潤すことを目指しているのだとか。
そして「台湾有事」も、NEDが台湾を使って中国政府を倒させようとする動きに起因する事象であり、世界で最も多くの米軍基地(駐留米軍=約55,000人!)を有する日本は戦争に巻き込まれ、台湾以上の犠牲者を生む危険性があると、著者は警告します。
私の印象に残った、著者の解説と主張の一部を紹介します。
【ウクライナ】
- オバマ大統領の時(バイデンが副大統領だった時)に、米国がウクライナに内政干渉してクーデター(マイダン革命)を起こさせ、ウクライナの親露政権であったヤヌコーヴィチ政権を転覆させたのは確かだ。
- NEDの活動の成果の一つがマイダン革命であり、その結果としてロシアがウクライナに侵攻したのだが、ロシアが特殊なわけではなく同様の戦闘は中東で何十年にもわたって起きている。
- ウクライナに侵攻したロシアに対し制裁を加えている国はわずか48ヵ国であり、人口比で世界の約85%を占める多くの国々はロシアへの制裁に参加していない。
【中東】
- 習近平は(ロシアへの制裁に参加していない)世界の85%を味方に付け、「米国は相手国政府の民主化を煽って現政府を転覆させる方向に支援をするが、中国は相手国への内政干渉をすることなく和睦によって経済発展をもたらす」と喧伝している。
- 中東諸国は現在の紛争が米国の活動による結果だと認識し、米国と距離を置いて中国の接近を許した結果、2023年のサウジアラビアとイランの国交正常化が中国を仲介役として実現したとみることができる。
【アフガニスタン】
- 2021年4月にバイデン大統領がアフガニスタンからの撤退を宣言すると、それまで習近平の助言により農村を中心に勢力を蓄えていたタリバン軍は、いっきに既存のアフガニスタン政府を倒した。これは、2016年から習近平が着々と描いてきたシナリオだった。
- アフガニスタンからの撤退によりNATOに対して威信を失墜したバイデンは、NATOをリードしていく枠組みを強化するため、ウクライナ戦争をけしかけた。
【台湾】
- 2022年に米国は、台湾の安全保障を促進するためと称して対台湾政策を強化する法案「台湾政策法案2022」を可決した。米国はこのような動きが中国の武力攻撃を促すことを知りながら、むしろ中国に台湾を攻撃させるために焚きつけている。
- 「中国大陸にとって台湾を攻撃することは優先事項ではないのに、むしろ台湾の政治家が選挙に勝つために、中国が攻撃してくると世論を煽っている」という意見があるが、正にその通りである。
【まとめ】
- 人類の85%は、米国が「民主化」を掲げて世界にばらまいてきた戦争と混乱に嫌気がさし、米一極支配から中露を中心とする多極化した世界を支持している。
- NEDが「民主化」のために世界中で活動した結果、「民主化」された国はごくわずかで、ほとんどはエンドレスの紛争と混乱により生命が奪われ、米国の軍事産業だけが儲かっている。
- 言論を弾圧する中国は許せない。しかし、「民主」を掲げて戦争を起こし軍事産業を肥え太らせる米国の戦略に乗せられてそれに加担し、日本が台湾有事を招き寄せ、結果として多数の日本人が犠牲になる事態は回避しなければならない。
米中の力が拮抗し始めている。
アメリカにとっては、世界ナンバーワンの地位を中国に渡すわけにはいかない。
「これは民主主義陣営と専制主義陣営の闘いだ」と必死だ。何としても中国の経済的・軍事的成長を潰そうともしている。
言論弾圧をする中国共産党による一党支配体制を崩壊させてくれるのは大変けっこうな話だが、その手段として日本を戦争に巻き込むのは困る。
またそのようなことに邁進している間に中国が非西側陣営を抱き込んで中露を中心とした世界新秩序を構築したりなどしたら、さらに耐え難い。
しかし実はいま習近平は「米一極から多極化へ」と向かう地殻変動を起こそうとしているのだ。
いったい何が起きているのかを解き明かし、どのようにすれば日本人の命が犠牲にならないようにできるのかを考察するのが本書の目的である。
(序章より)
アメリカにとっては、世界ナンバーワンの地位を中国に渡すわけにはいかない。
「これは民主主義陣営と専制主義陣営の闘いだ」と必死だ。何としても中国の経済的・軍事的成長を潰そうともしている。
言論弾圧をする中国共産党による一党支配体制を崩壊させてくれるのは大変けっこうな話だが、その手段として日本を戦争に巻き込むのは困る。
またそのようなことに邁進している間に中国が非西側陣営を抱き込んで中露を中心とした世界新秩序を構築したりなどしたら、さらに耐え難い。
しかし実はいま習近平は「米一極から多極化へ」と向かう地殻変動を起こそうとしているのだ。
いったい何が起きているのかを解き明かし、どのようにすれば日本人の命が犠牲にならないようにできるのかを考察するのが本書の目的である。
(序章より)
(amazonより抜粋して引用)

0 件のコメント:
コメントを投稿