パッキパキ北京 / 綿矢りさ

2024年4月6日土曜日

小説

t f B! P L

芥川賞を最年少で受賞した綿矢りささんの、2023年12月発行の小説です。

元ホステスの破天荒な主人公・菖蒲(あやめ)が、生真面目で神経質な夫の住む北京に渡り、コロナ禍にも負けず中国滞在生活を謳歌します。
この題名は、作者が北京の凍った川を見たときに頭の中を流れたラップ「(略)冬の北京はパッキパキ、(ヘイ、のんしゃらり~、のんしゃらり~)」から付けられたようです。

昔の中国は自転車が大通りをわちゃわちゃ走っていましたが、今では電動自転車がそれに取って代わり、ハイスピードで移動や食事の配送などを行っているのだそう。
作者はそれを「自転ター(自転車とスクーターからの造語)」と名付け、中国の横断歩道を歩いて渡るのは「五次元って感じの難しさ」とビビります。

菖蒲(あやめ)が現地で一緒に遊ぶようになった大学院生カップルの彼氏を誘惑し、それが彼女にバレて「人間失格!」というメッセージが送られて来る辺り、ひょっとして作者自身の実体験なのか、と思ってしまいました(笑)


菖蒲(あやめ)が主張する「精神勝利法」はなかなか興味深い価値観です。
「自他ともに認めざるを得ないほど社会の底辺に属してて、(中略)『おれは敵などいない。全知全能の神だ』と心から言い切れるなら、こいつはもう、完全に勝利している。(中略)この最強人類を前にしては、例えば銀メダルを獲得したのに金メダルを獲れなかったからといって悔し泣きしてる人間は、申し訳ないがコスパ最悪だ。」と。
それはつまり、持って生まれた「満足する才能」にも個人差が大きいということなのかも。


型破りな菖蒲(あやめ)とともに痛快な北京ライフを満喫したい方におススメします。

味わい尽くしてやる、この都市のギラつきのすべてを。

コロナ禍の北京で単身赴任中の夫から、一緒に暮らそうと乞われた菖蒲(アヤメ)。
愛犬ペイペイを携えしぶしぶ中国に渡るが、「人生エンジョイ勢」を極める菖蒲、タダじゃ絶対に転ばない。
過酷な隔離期間も難なくクリアし、現地の高級料理から超絶ローカルフードまで食べまくり、極寒のなか新春お祭り騒ぎ「春節」を堪能する。
街のカオスすぎる交通事情の把握や、北京っ子たちの生態調査も欠かさない。
これぞ、貪欲駐妻ライフ! 北京を誰よりもフラットに「視察」する菖蒲がたどり着く境地とは……?

著者自身の中国滞在経験とその観察力が炸裂する、一気読み必至の“痛快フィールドワーク小説”!
(amazonより抜粋して引用)

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関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
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