「働き手不足1100万人」の衝撃 / 古屋星斗, リクルートワークス研究所

2024年4月8日月曜日

ノンフィクション

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株式会社リクルート内の人と組織に関する研究機関”リクルートワークス研究所”に所属する4名の著者が、少子高齢化に起因する働き手不足によって2040年に日本に生じている問題を予測し、その解決策を提案する本です。

著者は、介護サービス職の不足により週4日必要なデイサービスに3日しか通えない、ドライバー職の不足により配送ができない地域や遅配が常態化する地域ができる、建設職の不足により道路の補修や災害後の復旧に手が回らない、などの問題が2040年には生じているだろうと予測します。
また、医療・介護分野では、労働生産性は上昇しないまま労働投入量が12年前より36%も増加していることから、このまま進むと、減少していく貴重な労働力を医療・介護分野で消費し尽くすことになると、警告します。
65歳以上の就業率を世界で比較すると、日本は25.1%で、2位のアメリカ18.0%を大きく引き離して主要国の中でダントツの1位なのですが、それでも働き手は不足するのだとか。
労働力として外国人を受け入れるという解決策は、過去の成功体験に引きずられた発想であり、日本はまず海外の若者が働きたいと思う魅力的な国になる必要があるのだと、著者は厳しい現状認識を示します。

働き手不足の解消策として著者は、①「機械化・自動化」、②「ワーキッシュアクト」、③「シニアの小さな活動」、④「仕事における無駄改革」を提案します。

①「機械化・自動化」では、スーパーのセルフレジや、スタッフ1人で入浴介助が可能となる介護用入浴装置などが紹介されています。
②「ワーキッシュアクト」は、仕事以外の趣味やコミュニティ参加を通じて他人の需要に応える活動であり、具体例として、趣味のランニングを通じて地域の安全を守る「パトラン」や、一般参加者がマンホールや電柱の写真を位置情報と合わせて提供することでインフラの管理に役立てる「TEKKON」が紹介されています。
③「シニアの小さな活動」は、小学生の通学見守り、神社の管理保全、高齢者の安否確認コーディネータなど、小さな負荷で地域の人と緩やかにつながりながらシニアの健康的な生活リズムを生みだす活動です。
④「仕事における無駄改革」は、飲食店での飲み物のセルフサービス化、コンビニの深夜営業の中止など、需要の低いサービスを削ぎ落して真に必要とされるサービスのみに希少な労働力を投入する改革です。
上記①~④の先にある日本の真の成長産業は、「省力化産業」だと著者は主張します。これは、AIやロボットなどの先端技術によって人の仕事を省力化し、多くの人が楽しみながら参加できるものに作り変えていく産業なのだとか。
私がそれを聞いて思い浮かんべたのは、回転すしの食べ終わった皿をお客が返却口に投入するとガチャガチャの景品がもらえる某寿司チェーンのサービスでした。著者のイメージと合っているかどうかわかりませんが・・・。

少子高齢化の最先進国である日本の特徴を活かした、将来の働き方や新産業に興味をお持ちの方におススメします。

2040年には働き手が1100万人足りなくなる――。
 
2023年3月にリクルートワークス研究所が発表した未来予測シミュレーションは、テレビ、新聞、ネットで数多く取り上げられ、大きな反響を呼んだ。
これまで「人手不足」は企業の雇用問題として報じられてきたが、これから起ころうとしている「人手不足」は、まったく様相が異なるという。

業種別にシミュレーション結果を見ると、2040年には
・介護サービス職で25・2% 
・ドライバー職で24・1% 
・建設職で22.0% 
の人手が足りなくなる。

そうすると何が起こるのか? 
宅配便の遅延が当たり前になり、ドライバー不足でコンビニやスーパーの商品の補充も毎日できなくなり、建設現場の人手不足で地方の生活道路が穴だらけになってしまう。
注文したものの配送、ゴミの処理、災害からの復旧、道路の除雪、保育サービス、介護サービス……。
私たちは今、これまで当たり前に享受してきたあらゆる「生活維持サービス」の水準が低下し、消滅する危機に直面しているのである。

これから訪れる人手不足は「生活を維持するために必要な労働力を日本社会は供給できなくなるのではないか」という、生活者の問題としてわれわれの前に現れるのだ。

本書では、詳細なシミュレーションをもとに、今後われわれ日本人が直面する「労働供給制約」という不可避の社会課題を明らかにする。
もちろん、ただ危機を「座して待つ」だけではない。
これから確実に直面する働き手不足の問題を解消するための4つの打ち手も提案する。
いずれの打ち手も机上論ではなく、すでに地域や個人、企業が実践しているもので、すでに芽が出ている取り組みである。
世界ではじめて人類社会の新局面に直面する日本において、働き手不足がもたらすのは「危機」だけではない。
じつは労働供給制約は、私たちに新しい働き方をもたらし、 日本をまったく新しい豊かな社会に変えるための突破口になるかもしれない。
労働市場の研究者である著者が、「危機の時代」を「希望の時代」にするために筆を執った衝撃の未来予測。
(amazonより抜粋して引用)

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関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
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