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ガザとイスラエルに駐在経験を持つ元外交官の著者が、自身の経験を交えながら、パレスチナの根深い問題を解説してくれます。
2023年10月7日、ガザ地区を実効支配するハマスがイスラエルを襲撃し、1200人が死亡し240人が拉致されました。イスラエルはその報復として、ガザ地区を閉鎖し、大規模な空爆及び地上侵攻を行っています。このような事態に至る経緯について、著者の解説の一部を紹介します。
【パレスチナ自治区の現状(2023年)】
- パレスチナ自治区は、パレスチナ政府が統治するヨルダン川西岸地区と、ハマスが支配するガザ地区がある。
- パレスチナ自治区の難民キャンプは粗末なうえに老朽化し、人口密度は高く、劣悪な環境である。
- ヨルダン川西岸にはイスラエル人の入植地が多数あり、そのヨーロッパ風の住宅やホテルは、貧しいパレスチナ人の憎悪を駆り立てている。
【パレスチナ問題の歴史的背景】
- 1915年にイギリスは、トルコへの攻撃を狙ってアラブ人に武装蜂起を呼びかけその対価としてパレスチナの独立を約束する。
- 1916年にイギリスは、フランスとロシアと共に中東地域を分割する協定を結ぶ。
- 1917年にイギリスは、ユダヤ人の豪商たちから戦費を援助してもらうため、見返りとしてユダヤ人による国家の建設を承認する。
- 第一次大戦中のイギリスのこの三枚舌外交が、パレスチナ問題の根源となっている。
- 1947年、アラブ人とユダヤ人がパレスチナを分割統治する「パレスチナ分割決議」が国連で採択される。
- 1948年、イスラエルの建国宣言を受けて、第1次中東戦争が始まり、70万人以上のパレスチナ人が故郷と家を失い難民となった。(パレスチナ難民は避難先で3代目、4代目となり、2021年には630万人に達している。)
- 第1次~第4次中東戦争を経て、1993年にはイスラエルとパレスチナ解放機構が相互を承認し和解に至る(オスロ合意)。
- 2000年には米国クリントン大統領がパレスチナ問題の解決のために2週間を費やしてキャンプ・デービット・サミットを開催する。
- 著者は、イスラエル、パレスチナ解放機構、クリントン米大統領が、具体的な解決策を模索したこの時期が、和平に最も近づいた瞬間だったが、それでも解決には至らなかったと悔しさを滲ませる。
- 問題は、聖地・東エルサレムをパレスチナ独立国家の首都とし、パレスチナ難民は故郷に帰還することができるとする国連決議を、イスラエルが拒否している点にある。
- その後、2001年9.11の同時多発テロ、2003~2010年のイラク戦争、2011年のアラブの春とシリア内戦、2014年のイスラム国(IS)樹立、中国との覇権争い、2022年のロシアによるウクライナ侵攻を経て、パレスチナ問題に対するアメリカの関心・関与は低下していると著者は説明する。
- アラブ社会においても第4次中東戦争から50年がたち、イスラエルに奪われた土地を取り戻すという「アラブの大義」は薄れ、「脱石油依存」が大きな社会テーマとなり、イランの勢力拡大が新たな脅威となっている。
- イスラエルにとっても、もはや最大の脅威はアラブ諸国ではなくなり、核やミサイルを開発し政治的影響力を強めるイランが新たな敵となっている。
- このような背景からイスラエルは2020年、脱石油依存を掲げるUAE及びバーレーンとの間で国交正常化を実現した。
- 2023年10月のハマスによるイスラエル襲撃は、世界全体のパレスチナ問題への関心低下が背景にあったと、著者は主張する。
日本人には馴染みの薄いパレスチナ問題について、短時間で概要を理解したい方におススメします。
ハマスとイスラエルの衝突で世界は混乱、いまだ和平の糸口は見えない。
パレスチナとイスラエルはなぜ憎しみあい、殺しあうのか?
パレスチナ人が70年も難民として生きる不条理を、なぜ国際社会は解決できないのか?
ガザ、イスラエルに駐在し、PLOアラファト議長の通訳も務めた外交官が目撃した、この世の地獄とは?
オスロ合意、キャンプ・デービッド・サミットの裏側、アラブ人とユダヤ人の本音、歴代アメリカ大統領の計算、難民キャンプの実情など、日本人が知らない、ガザとガザをめぐる歴史のすべてがわかる本。
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(amazonより抜粋して引用)

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