最期まで在宅おひとりさまで機嫌よく / 上野千鶴子

2023年12月12日火曜日

ノンフィクション

t f B! P L

2012年~2021年に社会学者の上野千鶴子氏が、著名な”おひとりさま”の女性10名と対談した様子がまとめられた対談集です。

上野氏は、「人間関係は、老後においてお金にも優る資源」と語り、「金持ち」ではなく、高齢の自分を支えてくれる友達が周りに沢山いる「人持ち」になることを勧めます。
そして「人持ち」になっている方は、種をまき、水をやり・・・、きちんと関係をメンテナンスする努力を怠らないのだそうです。
団塊世代の死亡数がピークに達するのが2025年。この時病院や施設に入れないで亡くなる”死に場所難民”ともいわれる人々は、47万人にものぼると推計されています。」と、上野氏は解説します。”死に場所難民”になっても自宅で安心して最期を迎えられるよう、「人持ち」になるべきだという意味ですね。
遠方に独居の母を持つ私にも、とても役に立つ本です。


私の印象に残った意見、情報、私の感想等を以下にご紹介します。
・「子供に迷惑をかけたくない」という多くの老人の意見に対し、作家の桐島洋子氏は、「ある程度の介護を背負ってもらって、亡くなった時に『やれるだけのことはやった』という充実感と『これで解放される』という解放感の両方を、子供に味わってもらっていいのではないか。そういう思いを子供に残すのが、むしろ親から子供への贈り物だと私は思っています。」と言います。
→未婚の母として3人の子育てに心血を注いだからこその意見だと思います。親の立場では私もそういいたくなりますが、子の立場としては、「余裕を持って背負える程度の介護負担で許してね」と念押ししたくなります。


・「男性は友達がいない人が多い。そういう男性は、高齢になると妻に対する依存度が高くなります。だから妻というつっかい棒を失うと、立っていられなくなる。でも妻は、友人関係や地域社会での人間関係をちゃんと築いています。(中略)そう考えると、男の社会性っていったいなんだろうと思います。本当に社会人として何十年もやってきたのか、会社でしか通用しない『会社性』じゃないか、と(笑)。実は女性の方がずっと社会性が高い。私はそう考えています。」(上野氏)
→『会社性』って、うまいこと言いますね(笑)


・「今の要介護世代は持ち家率が高いのに、(高齢者向け住宅に)転居して賃貸料を7万~10万円も払う必要があるのでしょうか。住宅費を払う代わりに、そのぶん介護保険のサービスを利用するほうにまわせば自宅でかなりのサポートを受けられます。」(上野氏)
・「認知症になっても、最期までご自宅で過ごせるというケースが増えている」(上野氏)
→自分が認知症の独居老人になったら、火の不始末、他人の家に間違えて侵入、異臭等で近所に迷惑をかけないか心配です。


なお、巻末には「在宅ひとり死」を全うするためにしておくべきことが、次のようにまとめられています。
  • 専門職(訪問医療、訪問看護、訪問介護)とのネットワークを作る。
  • 専門職に司令をだす司令塔となる友人、親族、又はNPO法人を確保する。
  • 費用を準備する。但し、在宅は老人施設に入居するより安上がり。
  • 成年後見を決める。最近は、社会福祉協議会や福祉公社等で身上監護(契約手続きの代行)まで引き受けるところも現れた。
  • 定期的な安否確認の電話を依頼し、反応が無い時には家に入れるよう、信頼できる人に鍵を預ける
  • 倒れている自分を見つけた人が、119番や110番に電話しないよう主治医や訪問看護ステーションの電話番号を大きな紙に書いてベッドの近くの壁に貼っておく

高齢で一人暮らしの方や、高齢で一人暮らしの親を持つ方におススメの一冊です。

女性学の第一人者であり、「おひとりさま」を貫く生き方のロールモデルとしても知られる社会学者・上野千鶴子。
本書は、上野氏が過去10年間で「おひとりさまの生き方」について語り合った女性10人との対談を1冊にまとめたもの。
登場するのは、澤地久枝さん、橋田壽賀子さん、下重暁子さん、桐島洋子さん、村崎芙蓉子さん、若竹千佐子さん、稲垣えみ子さん、香山リカさん、柴田久美子さん、荻原博子さん(掲載順)の10名。
いずれも名だたるロールモデルの方々ばかりです。
各記事の後に、現在の上野さんが当時を振り返って心境を綴った「うえのの目」を収録。
終章では上野氏が人生100年時代を迎えた今の時代に叶える「在宅ひとり死」を徹底研究。
『在宅ひとり死のススメ』や『おひとりさま』シリーズの愛読者の方はもちろん、これから人生後半を迎える女性たちに勇気を与えてくれる1冊です。
(amazonより抜粋して引用)

このブログを検索

ブログ アーカイブ

自己紹介

自分の写真
関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
医療・医薬に関する一般向けの本、母のための老人施設・介護の本、私が興味を持つ科学、音楽、歴史に関する本、時事解説本、小説など、年間100冊程度読んでいます。
私が実際に読んでぜひ皆様におすすめしたいと思った本やその関連情報をこのブログで発信していきます。

インドの野心 / 石原孝、伊藤弘毅

リンク 朝日新聞の記者としてニューデリー支局に勤務した経験を持つ著者2名が、文化、教育、経済、外交などさまざまな角度から「急成長する大国インドの実像」を描いた新書です。 世界最大の人口 を抱え、 若年層が多い という強みを持つ一方、 教育格差や雇用不足 、 宗教・...

フォロワー

QooQ