マッカーサーと吉田茂 / リチャード・B. フィン

2023年11月19日日曜日

ノンフィクション

t f B! P L

太平洋戦争後のGHQによる占領から講和条約締結までの7年間を、日米双方のリーダーに注目して描いたノンフィクションです。

象徴天皇制戦争放棄など新しい憲法の草案がGHQによって示され、国民に受け入れられます。
しかし、やがてGHQからの指示で再軍備を進めることに…。
上下巻それぞれの見所や感想は次の通りです。

【上巻】
マッカーサーは、日本政府の憲法調査委員会による新憲法案が天皇主権を温存したものであることを知ると、連合国からなる極東委員会やワシントンが介入する前にGHQによって独自の草案を作るよう命じます。
そこからわずか7日間で起草したとはびっくり!
象徴天皇制はマッカーサーの意向のようですが、戦争放棄は誰のアイデアによるものかはっきりしないのだとか。
保守派の吉田茂首相は最初は尻込みしたが、最後は熱烈な支持者になったそうです。それは、多くの国民が戦争を憎み、戦争よりも経済的繁栄を望んでいることを感じたからではないでしょうか。

【下巻】
1950年に朝鮮戦争が勃発すると、マッカーサーは警察予備隊の設立を命じ、日本の再軍備を促します。
戦力の不保持を憲法に謳いながら、日本は講和条約を手に入れるためには再軍備を約束せざるを得なくなります。
アメリカは30万人規模の再軍備を求めましたが、吉田は経済の再興を優先させるため巧みに時間を稼ぎ、15万人規模の自衛隊に留めたのだとか。
講和条約の賠償条項ではアジア諸国の怒りを呼び覚まします。
多くの国が賠償を放棄することとなり、賠償を放棄しなかった国に対しても大半は金銭ではなく、原材料を受け入れて日本で加工した製品を提供するという「生産物や役務」の形で賠償が支払われ、日本製品の普及に寄与したそうです。
アジア諸国の民衆の不満の一因になったことは確実でしょう。

本書は、占領が始まった日から講和条約の締結に至る七年間のドラマを自らの見聞と丹念な取材を通じて再現した占領通史であり、二人のリーダーの個性的な言動に注意を払いつつ、日米双方の内部事情を描いたノンフィクションである。
鮮烈に甦る占領時代から20世紀末を生きる日本人は何を学ぶべきか―。
二人の際立った個性による外交の現場と、占領下日本の政治・社会状況を描いた本書は、貴重な歴史ドキュメントである。
戦後日米関係の原点を検証する。
(amazonより抜粋して引用)

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関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
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