リンク
イタリアの歴史小説を得意とする塩野七生氏による十字軍遠征の物語です。
日本人にはなじみが薄いと思われる「十字軍」ですが、この本を読むと、キリスト教とイスラム教の根深い対立の一端を垣間見ることができます。
ローマ法王の呼びかけに応じて、ヨーロッパのキリスト教徒は1096年に十字軍を結成し、イスラム教徒に征服された聖地エルサレムを”奪還”するため大挙して侵攻します。
そして一旦は十字軍がエルサレムを奪還するも、イスラム教徒の抵抗は根強く、以後200年近く十字軍とイスラム教徒が相互に”奪還”し合う展開に。(両陣営どちらから見ても聖地なのでどちらも”奪還”と表現)
私がおススメする第1巻~第4巻の見所、印象深いシーン、感想は次の通りです。
【第1巻】
カノッサの屈辱以後も尾を引くローマ法王vs.神聖ローマ帝国皇帝の権力争いを背景とし、ローマ法王ウルバン二世が十字軍結成を呼びかけます。
共にユダヤ教を土台として唯一神を信仰するキリスト教徒とイスラム教徒が残虐に殺し合うのは理解し難いものがあります。
ザブタイトル「神がそれを望んでおられる」が虚しい...。
因みに突然攻め込まれたイスラム教徒側は、キリスト教徒の目的が全くわからず、単なる領土拡大の戦争を仕掛けられたとしか認識していなかったとか。
両者とも仲間割れを繰り返しながら、ついにエルサレムとその周辺を十字軍が支配します。
【第2巻】
第1次十字軍の多くの諸侯が欧州に帰還した後、十字軍国家はテンプル騎士団等の活躍はあったものの慢性的な兵士不足となり、イスラム側が徐々に盛り返します。
ゼンギとその息子ヌラディンが周辺の十字軍国家エデッサを奪還すると、欧州ではカトリック教会の修道士ベルナールの巧みな弁舌により、フランス王ルイ7世と神聖ローマ皇帝コンラート3世の2人が第2次十字軍を率いて出兵。
十字軍は酷暑の中ダマスカスを攻めますが交戦開始後数日で撤退します。
国王が二人も出てきた割にはあっけなく終了。
残されたエルサレムは、癩病を患う王ボードワン四世の活躍はあったものの、シーア派とスンニ派を束ねたサラディンによってイスラム教徒に再度奪還されます。
【第3巻】
イスラム教徒によるエルサレム再奪還は欧州のキリスト教徒を奮い立たせます。
第3次十字軍の主役はイギリスの獅子心王リチャード。この王がライオンハートの語源です。
このリチャード王の活躍でエルサレムに迫りますが、共に遠征していたフランス王フィリップ2世が早々に帰国しイギリス領を乗っ取ろうとしたため、リチャード王は聖地奪還を断念し、サラディンと休戦講和を結び帰国。うーん、フィリップ2世、えげつない…。
その後の第4次十字軍では、戦費不足や協闘するベネチア共和国の思惑が原因となり、同じキリスト教徒の都市ザーラやビザンチン帝国のコンスタンチノープルを攻略します。あらら、聖地奪還はどこへやら。
そして第5次十字軍は、エルサレム王が御当地十字軍を結成しエジプトのカイロを攻撃しますが敗戦。
キリスト教徒ってどれだけ戦争好きなのでしょう。
【第4巻】
神聖ローマ帝国皇帝フリードリヒ2世は、ローマ法王から2度破門されるも十字軍を率い、軍事力を背景とした粘り強い交渉により戦わずしてイスラム側からエルサレムの主要地域(全体の約2/3)を手に入れます。
素晴らしい外交手腕だと思いますが、ローマ法王は「聖地はキリスト教徒が血を流すことによって解放されなければならない」と激怒したのだとか。そんなバカな!
その後再びエルサレムはイスラム側に支配され、今度はフランス王ルイ9世が十字軍を起こします。
ルイ9世は約1万人の兵士とともに捕虜となり、莫大な賠償金を支払って釈放されるという惨憺たる結果に。
そしてついに、パレスチナの十字軍国家は孤立状態となり、イスラム側に一掃されます…。
長くイスラム教徒の支配下にあった聖都イェルサレム。
一〇九五年、その奪還をローマ法王率いるカトリック教会が呼びかける。
「神がそれを望んでおられる」のスローガンのもとに結集したのはキリスト教国の七人の領主たち。
ここに第一次十字軍が成立した。
さまざまな思惑を抱えた彼らは、時に対立し、時に協力し合いながら成長し、難事を乗り越えていく。
ビザンチン帝国皇帝との確執、小アジア横断、大都市アンティオキアを巡る攻防…。
そしてイェルサレムを目指す第一次十字軍の戦いはいかなる結末を見たのか―。
一〇九五年、その奪還をローマ法王率いるカトリック教会が呼びかける。
「神がそれを望んでおられる」のスローガンのもとに結集したのはキリスト教国の七人の領主たち。
ここに第一次十字軍が成立した。
さまざまな思惑を抱えた彼らは、時に対立し、時に協力し合いながら成長し、難事を乗り越えていく。
ビザンチン帝国皇帝との確執、小アジア横断、大都市アンティオキアを巡る攻防…。
そしてイェルサレムを目指す第一次十字軍の戦いはいかなる結末を見たのか―。
(amazonより抜粋して引用)
リンク
リンク
リンク

0 件のコメント:
コメントを投稿