気候崩壊後の人類大移動  / ガイア・ヴィンス

2023年10月7日土曜日

ノンフィクション

t f B! P L

サイエンスライターの著者は、今後、地球温暖化により住めなくなった地域から暮らしやすい地域に、人類が大移動することになると警告します。その時までに何をすべきか、いかにしてそれを実現するか、多面的に検討し提案する著書です。


国連の国際移住機関は、今後30年間だけでも15億人の環境難民が発生し、2050年以降はその人数が急激に増えると予測しているそうです。
2022年、大気中の二酸化炭素濃度は420ppmに達しており、これは過去300万年のいかなる時期よりも上回っているとのこと。
植物の細胞や組織や酵素は、約39℃で破壊されるそうです。地球の気温が4℃上昇すると、中緯度地域で気温が40℃後半、亜熱帯地域では50℃後半まで上昇し、作物の損失を補えなくなると、著者は警告します。

著者は人類の大移動の基礎となる、以下の情報や研究結果を紹介してくれます。
  • 環境難民の大半は、アフリカや中南米の熱帯地方から逃れ出ることなる。
  • 富裕国にとっては、移住を制限するのではなく、労働力不足を解消するために移住を管理する方向に発想を転換させる必要がある。
  • 富裕国では今後人口が減少し、2030年までに米国で3500万人、2050年までにEUで8000万人、日本で1700万人の労働者を新たに受け入れなければ、現在の社会制度を維持できないため、これらの国は移民を奪い合うことになる
  • 世界銀行の研究によると、富裕国が移民を受け入れて人口を3%増加させれば、10年以内に世界のGDPは3560億ドル押し上げられるという。
  • スタンフォード大学の研究では、すでに地球温暖化により1人当たりGDPは、スウェーデンでは25%増加し、インドでは31%減少、ナイジェリアでは29%減少、インドネシアでは27%減少、ブラジルでは25%減少している。これらGDP減少国の住民は、はるか北の暮らしやすい場所に移住する必要がある。
最後に著者は、これから始まる人類の大移動を計画的に実行できれば安全で公平な世界への移行が平和裏に実現するのだから、これは困難ではあるが挑戦しがいのある問題であると、人類を鼓舞します。
さて、私は何から始めようか…。

東京は亜熱帯化し、サハラ砂漠はヨーロッパまで拡大し、ニューヨークは水没する……
10億人規模の移住を迫られる近未来
「政治家のみならず地球人の全員が読むべき」
――英オブザーバー紙
●本文より
「今後五〇年間で気温も湿度も上昇し続ければ、もはや地球の広大な地域が、三五億の人類にとって住めない場所になる。
熱帯や沿岸から脱出し、かつての耕作地を手放し、大勢の人たちが新たに生活の拠点を探さなければならない。
あなたはそのひとりになる可能性も、彼らを受け入れる立場になる可能性もある。(中略)
私たちは間違いなく生物種として緊急事態に直面しているが、それに対処するのは可能だ。私たちは生き残ることができる。
ただしそのためには、計画的かつ慎重に大移動を進めなければならない。
それは、人類が未いまだかつて経験したことがない大事業になるだろう」
(amazonより抜粋して引用)

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関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
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