ジョブ理論 イノベーションを予測可能にする消費のメカニズム / クレイトン M クリステンセン他

2023年9月1日金曜日

ノンフィクション

t f B! P L

商品が売れるか否かは、〝顧客が片づけたいジョブ(Jobs to Be Done)〟をその商品が片付けてくれるか否かで決まる、という消費理論の本です。


平日の朝にミルクシェイクが売れるのは、仕事先までの運転の退屈を紛らわせ、昼までの空腹をしのぎたい客がミルクシェイクによりそのジョブを片付けようとするから。
また、夕方にミルクシェイクが売れるのは、幼い子の要望を叶え自分を寛大で愛情あふれる親だと認識したい客がミルクシェイクによりそのジョブを片付けようとするから。
同じミルクシェイクでも、朝と夕方では購買目的が異なる。でもどちらも顧客の片付けたい用事を片付けるために購入する
より多く売るには、それぞれの時間帯でそれぞれのジョブに沿った最適な売り方を考えればよい、ということだそうです。

サザンニューハンプシャー大学(SNHU)が、キャリアアップを目指す30代の社会人向け通信課程にフォーカスし、最小限の手間と時間で入学手続きを完了させたいというジョブを片付けるためのサポート体制を作った例は印象的です。
入学を検討している者から問い合わせメールが届いたら10分以内に担当者が電話し、本人の許可を得てその入学検討者が以前履修した別の学校での履修証明書をSNHUが費用負担して取得するという徹底ぶりです。

また著者は、顧客のジョブをどのくらい的確に解決したか、パフォ-マンスを測定するための基準を定めることも重要だと主張します。

ジョブを満たす解決策を見つけられず何も雇用しない道を選ぶことを、著者は「無消費」と呼び、そこには目に見えない需要が大量に眠っていると言います。
しかし、既存のデータからは、この「無消費」は見えません。
ジョブを明らかにする情報は、顧客が苦労し苛立っている文脈、間に合わせの行動で不満足を感じた例、現実の乱雑な体験といった目立たない「受動的データ」の中から手掛かりを集めるしかないのだと著者は説明します。

著者らは、企業1社1社からデータを集めて分析し理論にまとめるために約20年かかったそうです。
豊富な事例と共にその理論の神髄を理解し、ご自身のビジネスに応用したい方々に、おススメの1冊です。

『イノベーションのジレンマ』の著者による、21世紀のベスト・オブ・ビジネス書!
イノベーションの成否を分けるのは、顧客データ(この層はあの層と類似性が高い。
顧客の68%が商品Bより商品Aを好むetc)や、市場分析、スプレッドシートに表れる数字ではない。
鍵は「顧客の片づけたいジョブ(用事・仕事)」にある。
世界で最も影響力のある経営学者クレイトン・クリステンセンが、人がモノを買う行為そのもののメカニズムを解き明かす、予測可能で優れたイノベーションの創り方。
・顧客が商品を買うこととは、片づいていない「ジョブ(用事・仕事)」を解決するために何かを「雇用」することである。
・ビッグデータは顧客が「誰か」を教えてくれても、「なぜ」買うのかは教えてくれない。
・数値化できない「因果関係」にこそ、成功するイノベーションの鍵がある。
・自社製品も他社製品も買っていない「無消費者」を取り込め。
(amazonより抜粋して引用)

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関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
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