感染症の日本史 / 磯田道史

2023年9月9日土曜日

ノンフィクション

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日本での感染症による死者数や生活への影響、感染予防法などの歴史がまとめられた、2020年9月(新型コロナ感染症の国内第2波ピーク頃)発行の本です。

紀元前8000年頃に初めて出現したと言われるヒト型コロナウィルスは、最近まで4種類だったのに、SARS、MERS、Covid-19の登場で一気に7種類に増えたと著者は言います。
 
近世前期(17~18世紀)の日本人の遺骨を調べると、男性で約2/3、女性で約1/3に梅毒の痕跡が見られるのだとか。すごい確率ですね。

また江戸時代には、約20年に1回の周期で麻疹(別名:はしか)が流行したのだとか。
これは世代交代により、約20年ほどで前回の流行後に生まれた(免疫を持っていない)世代が増え、再び流行したためだそうです。
そして感染症が拡大すると当時もやはり自粛をしたそうですが、それは殿様(藩主)にうつさないことを最大の目的とした自粛だったそうです。

 1858年には、ペリー艦隊の中の一隻にコレラに感染した乗組員がおり、長崎に寄港したときに日本に持ち込まれたそうです。
じきに江戸にも飛び火し、その後コレラは日本国内で3年間も猛威を振るったため、その恨みは異人に向けられ攘夷思想が高まる一因になったのだとか。

 1918~1920年には世界的にスペイン風邪が流行し、その死者数は第一次世界大戦による戦死者の5倍以上(5000万人以上)だったとも言われます。
著者は、真の脅威は敵国ではなくウィルスなのだから、人間同士で戦争をしている場合ではないと、強く訴えかけます。 

スペイン風邪は日本でも流行しますが、まだウィルスの存在があまり知られておらず、対策は口蓋(マスクのこと)をする程度だったようです。
ウィルスについて調べてみると、オランダのベイエリンクがウィルスの存在を示唆したのが1898年、初めて電子顕微鏡で詳細に観察されたのは1931年だそうですので、無理もないですね。
結果としてこのスペイン風邪に、原敬首相を含む当時の多くの大物政治家が感染し、更に大正天皇をはじめとする皇族も感染します
昭和天皇の弟である秩父宮は、スペイン風邪を治すために治り間際の兵隊の血液から作った血清を注射するという血清療法を行いますが、予後は思わしくなくその後も長期間苦しんだそうです。 
また、このスペイン風邪は、熱が下がり治ったと思っても、身体が大きなダメージを受け、その後長期間後遺症に苦しむ患者が多かったことが記録に残っているそうです。
新型コロナとよく似ていますね。 

新型コロナ以降も、近い将来新しい未知の感染症が必ず発生すると言われています。
次のパンデミックに備えて、感染症の日本史をおさらいしたい方におススメします。

歴史上、最も多くの命を奪ってきた脅威がパンデミックだ。
新型コロナウイルスのワクチン、治療薬も確立していない今、歴史を見つめ直す必要がある。
一級の歴史家が、平安の史書、江戸の随筆、百年前の政治家や文豪の日記などから、新たな視点で日本人の知恵に光をあてる。
(amazonより抜粋して引用)

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関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
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