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ニューヨーク市立大学で生物学の教授をしている著者が、人体の構造や機能の中の非効率で残念な部分を拾い上げ、なぜそうなったのか、進化の歴史を紐解いてくれる本です。
私は「人体は進化の結果素晴らしい機能を持っている」と信じていたのですが、著者は、そうとばかりも言えない人体の欠陥を一つ一つ例をあげて語ります。まず、脊椎動物の網膜の光受容細胞は後ろ向きになっているそうです。つまり集光器である光受容細胞は目の奥の壁の方向に向いていて、アンプに光信号を送るケーブルが光の入射方向に伸びている。だから、目から入った光は光受容細胞の背面から隙間を進み細胞の薄い膜や血管を通り抜けてやっと光受容細胞にたどり着かねばらなず、入射光側でケーブルが束ねられた場所は盲点になるのだとか。これは明らかに最適なデザインではないと著者は言います。
また、脳からの指示によって喉を使って話しができるよう、脳の頂点付近と喉頭(のどぼとけの辺り)の筋肉の間は「反回神経」という回路でつながっているそうです。しかしその回路は最短ルートではなく、脳から脊髄をずっと下り胸の上部まで伸び、肩甲骨の辺りで脊髄を離れて大動脈の下をくぐり、喉頭に向かって上方向に逆戻りするという、大きな迂回(最短ルートでつなぐより3倍長い)経路をたどっているのだとか。
これは、脳とエラ(喉頭の原型)と心臓がコンパクトに収まっている魚類にとっては効率的な回路だったそうなのですが、両生類、爬虫類、哺乳類へと進化するにしたがって心臓の位置が後方に移動したにも関わらず、魚類の神経回路のルートをそのまま引き継いだため大きな無駄が生じたけれど、根本的に設計を変更するような進化は起きなかったと、著者は語ります。
更に、人間は世界中のどの動物よりも、必要とする食物の種類が多いそうです。
例えば、霊長類以外の動物はほぼ全て自分の肝臓でビタミンCを生成できるのだとか。霊長類も、ビタミンCを生成するために必要な一連の遺伝子を持っていたのですが、その中の一つが壊れてしまったため、ビタミンC生成機能を失ったのだと言います。そしてそのときの霊長類が、生存するためにビタミンCの生成が必須である環境にいれば、その壊れた遺伝子は子孫に受け継がれないはずですが、その時既に霊長類はビタミンCを豊富に含む食物を摂取できていたので、ビタミンCが生成できない欠陥遺伝子が子孫に受け継がれたのだとか。
同様に人は、20種のアミノ酸のうち9種のアミノ酸(=必須アミノ酸)の生成能力を失ったため、これらを食事で摂取する必要が生じました。その結果、飢饉のときにはカロリー不足よりもタンパク質と必須アミノ酸の不足が最大の死亡要因になるのだとか。
「進化には計画などないのだ。進化はランダムで、ずさんで、あいまいで、冷酷だ。」と著者は嘆きます。
他にも、自己免疫疾患、過剰なアレルギー反応、妊娠と出産の非効率などなど、人間特有の欠陥がたくさん解説されています。
「進化には計画などないのだ。進化はランダムで、ずさんで、あいまいで、冷酷だ。」と著者は嘆きます。
他にも、自己免疫疾患、過剰なアレルギー反応、妊娠と出産の非効率などなど、人間特有の欠陥がたくさん解説されています。
私達の人体を新しい視点で見ることにより、これまで想像したことの無い人体のウラの一面を発見できます。
人体に関するウンチクを語れるようになるおススメの一冊です!
精巧で緻密――その神秘性までが強調されることの多い「人体」。
ところがその端々には不可解で残念な“欠点"が無数に見つかる。人体はゼロから精緻にデザインされたものではなく、進化(突然変異)によるマイナーチェンジを修正しながらなんとか作り上げられてきたものだからだ。
本書では、人体が完成とは程遠いままになっている事実を明らかにするとともに、人体進化のまったく新しい見方を紹介する。
ところがその端々には不可解で残念な“欠点"が無数に見つかる。人体はゼロから精緻にデザインされたものではなく、進化(突然変異)によるマイナーチェンジを修正しながらなんとか作り上げられてきたものだからだ。
本書では、人体が完成とは程遠いままになっている事実を明らかにするとともに、人体進化のまったく新しい見方を紹介する。
(amazonより抜粋して引用)

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