家康、江戸を建てる / 門井慶喜

2023年9月18日月曜日

小説

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直木賞作家・門井慶喜氏の連作5編からなる歴史短編集です。徳川家康が、新たな都市「江戸」を設計・建設する様を、治水工事、貨幣鋳造、飲料水の確保、江戸城の石積み、天守の建設の5つの側面から描きます。

1590年、関白豊臣秀吉は徳川家康に対し、駿河・三河など開かれた豊饒な家康の領地を、未開で湿地が広がる相模・武蔵など北条家の関八州に交換(国替)するよう命じ、家康はそれを受け入れます。
家康から江戸の街の基礎づくりを命じられた伊奈忠次は、江戸湊(東京湾)にそそぐ広い河口を有し江戸の地を水びたしにしていた利根川の流れを、江戸を通らず太平洋・鹿島灘にそそぐ現在のルートに変えるという壮大な計画を立案します。
また家康は、江戸の街で金の含有率のバラツキが少ない良質の小判を鋳造することで江戸を日本の経済の中心とすることを目論みます。そのために上方で貨幣の鋳造を担ってきた腕利きの職人を江戸に招くのでした。このとき新しく銀貨の鋳造地に選ばれたのが”銀座”だったんですね。
その他にも、武蔵野の原野で鷹狩りの折に土地の者から湧水のありかを聞いた家康は、江戸の市民に飲み水を提供するため井の頭池から江戸の町へ水を引く工事を命じます。江戸の町に引いてきた水はお濠(外堀)の上を立体交差させて江戸城に引き込まれるので、そこが”水道橋”という地名になったのだとか。
現代で言えば首都移転に相当するような大規模なインフラ整備と都市建設を、家康とその配下の技術者集団が、大胆かつ鮮やかな手法で実現したことに驚かされます。
2019年1月にはNHK「正月時代劇」にてテレビドラマ化され、大好評を博しました。

「北条家の関東二百四十万石を差し上げよう」天正十八年、落ちゆく小田原城を眺めつつ、関白豊臣秀吉は徳川家康に囁いた。
その真意は、湿地ばかりが広がる土地と、豊穣な駿河、遠江、三河、甲斐、信濃との交換であった。
家臣団が激怒する中、なぜか家康は要求を受け入れる―
ピンチをチャンスに変えた究極の天下人の、日本史上最大のプロジェクトが始まった!
(amazonより抜粋して引用)

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関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
医療・医薬に関する一般向けの本、母のための老人施設・介護の本、私が興味を持つ科学、音楽、歴史に関する本、時事解説本、小説など、年間100冊程度読んでいます。
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