チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 / 塩野七生

2023年9月10日日曜日

小説

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西暦1500年頃、イタリア半島に小国家・小都市が乱立していた時代に、軍人・政治家として活躍したチェーザレ・ボルジアの生涯を、塩野七生氏が描いた歴史小説です。


15世紀後半にローマに生まれたチェーザレ・ボルジアは、ローマ法王に就任した父の威光により若くしてバレンシア枢機卿の地位を得ますが、その後聖職を捨てて軍人に転身します。
騙したり裏切ったりしながらイタリア半島で勢力を争う様は日本の戦国時代のようで、目的のためには手段を選ばず、敵対者を冷酷残忍に排除する様は織田信長を連想させます
彼はフィレンツェの外交官マッキャベリやレオナルドダヴィンチとも交流しつつ、支配地域を拡大していきます。
ネットで調べたところ、マキャヴェッリは『君主論』の中で、「チェーザレは高邁な精神と広大な目的を抱いて達成するために自らの行動を制御しており、新たに君主になった者は見習うべき」とし、「野蛮な残酷行為や圧政より私達を救済するために神が遣わした人物であるかのように思えた」と記しています。
つまりマキャヴェッリは、国家の利益のためにはどんな手段も許されるという”マキャヴェリズム”を具現化した代表格としてチェーザレ・ボルジアを位置づけているのです。

灰色の目とオレンジ色の髪を持ち、「容姿ことのほか美しく堂々とし、武器を取れば勇猛果敢であった」と伝えられるチェーザレ。
イタリア歴史小説の大家・塩野七生女史の”チェーザレ推し”が全開の作品です。

ルネサンス期のヨーロッパの地名や人名に馴染みのない私のような方は、ネットで調べながら読むと頭に入って来やすいと思います。

十五世紀末イタリア。群立する都市国家を統一し、自らの王国とする野望を抱いた一人の若者がいた。
その名はチェーザレ・ボルジア。
法王の庶子として教会勢力を操り、政略結婚によって得たフランス王の援助を背景に、ヨーロッパを騒乱の渦に巻き込んだ。
目的のためなら手段を選ばず、ルネサンス期を生き急ぐように駆け抜けた青春は、いかなる結末をみたのか。
塩野文学初期の傑作。
(amazonより抜粋して引用)

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関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
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