リンク
「三四郎」、「それから」に続く、夏目漱石の前期三部作の最終章です。親友を裏切りその妻を奪って結婚した主人公の宗助が、妻と共に社会から逃れるように暮らす様子が描かれます。
登場人物は違いますが、「それから」のそれからのようなお話です。不倫・略奪愛の直接的な描写が無いのは「それから」と共通しています。
明治文学にその種の刺激を求めてはいけません(笑)
山の中にいる心を抱いて、都会に住む境遇の二人。
宗助は鎌倉の禅寺を訪ねて座禅をしますが、自己とは何か、答えを見出すことはできず苦悩します。
「彼は後ろを顧みた。そしてとうていまた元の路へ引き返す勇気をもたなかった。彼は前を眺めた。前には堅固な扉がいつまでも展望を遮っていた。」
「要するに、彼は門の下に立ちすくんで、日の暮れるのを待つべき不幸な人であった。」
漱石は、何の象徴としてこの門を描いたのでしょう?
禅寺で悟りを得ること?
夫婦の幸せな未来?
宗助の心の閉塞感?
夏目漱石は、あの時代に一体どんな恋愛や結婚生活を経験したのか。
妄想を楽しみながら、何度も読み直したくなる名作です。

0 件のコメント:
コメントを投稿