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米国製薬大手ファイザー社のアルバート・ブーラ CEOが新型コロナのワクチン開発について述懐した本です。
ファイザー社は、新型コロナ発生前の2018年に、ドイツのベンチャー企業であるビオンテック社との間で、mRNAベースのインフルエンザ予防ワクチンの開発を目的とした研究協力協定を結びました。この協定により、2019年末から感染拡大が始まった新型コロナのワクチン開発に関し、ファイザー社は圧倒的に有利なスタートを切ることができたと、著者は認めています。
しかし、短期間で検討すべきことが山のようにありました。
- 両社の間で開発コストをどのように負担するか?
- 両社の間で将来の利益をどのように分配するか?
- いかにして早くFDA(アメリカ食品医薬品局)の認証を取得するか?
- いつ頃どれだけの量のワクチン製造を目指すか?
- 価格をどのレベルに設定するか?
ファイザー社は、ブーラ CEOの陣頭指揮の下、「ライトスピード」と名付けられた特別プロジェクトチームを組んで、これらを迅速に決定し推進していきます。
その結果が、日本でも多くの人が接種したファイザー社製の新型コロナワクチンです。
ファイザー社CEOが著者ですので、正直言って「自画自賛だねっ!」と感じる箇所も多々あります(笑)。
しかし、それを差し引いたとしても、感染したら死ぬ(!)未知の感染症だった新型コロナのワクチンを、極めて短期間(約9ヵ月)で世界に供給したのはスゴいことですよね。
そのために繰り広げられた、開発担当者の壮絶な苦悩と努力が伝わってくる、おすすめの一冊です。
「ムーンショット」という考え方は、最近
になって再び見直されてきた概念だ。
この言葉が初めて使われたのは一九四九年、アメリカで宇宙探査をめぐる議論のなかで 用いられたのが最初だった。
この時代はくしくも、ジフテリア、破傷風、百日咳に 対する三種混合ワクチンが登場し、ワクチン開発が大きく飛躍した時期でもあった。
その数年後の一九五五年にはポリオワク チンが実用化されている。
ただし、ムーンショットという言葉が辞書に載り、後世に残るきっかけとなったのは、 一九六〇年代に当時のケネディ大統領が 「人類を月に着陸させ、無事に地球に帰還させる」と宣言したことだった。
目標とし て月を選んだのは、それが容易だからでは なく、困難だからである、とケネディ大統領は演説の中で語っている。
そして、さらにこう理由を説明した。
「この目標が、我々 のもてる最大限のパワーと技術を結集し、それがどれほどのものかを測るうえで役立つからです。
この挑戦こそ、我々が 受けて立つことを望み、後回しすることをよしとせず、勝ち取ろうと志すものなのです」
この言葉が初めて使われたのは一九四九年、アメリカで宇宙探査をめぐる議論のなかで 用いられたのが最初だった。
この時代はくしくも、ジフテリア、破傷風、百日咳に 対する三種混合ワクチンが登場し、ワクチン開発が大きく飛躍した時期でもあった。
その数年後の一九五五年にはポリオワク チンが実用化されている。
ただし、ムーンショットという言葉が辞書に載り、後世に残るきっかけとなったのは、 一九六〇年代に当時のケネディ大統領が 「人類を月に着陸させ、無事に地球に帰還させる」と宣言したことだった。
目標とし て月を選んだのは、それが容易だからでは なく、困難だからである、とケネディ大統領は演説の中で語っている。
そして、さらにこう理由を説明した。
「この目標が、我々 のもてる最大限のパワーと技術を結集し、それがどれほどのものかを測るうえで役立つからです。
この挑戦こそ、我々が 受けて立つことを望み、後回しすることをよしとせず、勝ち取ろうと志すものなのです」
(本書「はじめに」より引用)

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