iPodの「クリックホイール」をめぐり、個人発明家・斎藤憲彦氏がアップルを相手に特許侵害を訴え、最終的に3.3億円の支払い命令を勝ち取るまでの約4000日に及ぶ闘いを描いたノンフィクションです。
発明の着想から特許出願、拒絶査定への対応、分割出願、無効審判、そして訴訟戦略まで、知財実務の全工程が具体的に示されます。
巨大企業との交渉の難しさや、個人が特許を武器に戦うための心理的・経済的・法律的ハードルが浮き彫りになり、日本の知財制度の課題も指摘されます。
専門家による詳細な取材をもとに、発明家の執念と特許戦略のリアルを学べる一冊です。
巨大企業との交渉の難しさや、個人が特許を武器に戦うための心理的・経済的・法律的ハードルが浮き彫りになり、日本の知財制度の課題も指摘されます。
専門家による詳細な取材をもとに、発明家の執念と特許戦略のリアルを学べる一冊です。
私の印象に残ったことの一部を以下にご紹介します。
- 発明の内容に興味を持った企業が発明者にコンタクトしてきたときには、他の企業とも交渉の準備中であることを匂わせつつ、社内検討の期限を設けて、それ以降に結論を引き延ばす場合には何らかの金銭(手付金)を支払うよう取り決めるのがよい。
- (特許法65条1項 補償金請求権)「特許出願人は、出願公開があつた後に特許出願に係る発明の内容を記載した書面を提示して警告をしたときは、その警告後特許権の設定の登録前に業としてその発明を実施した者に対し、その発明が特許発明である場合にその実施に対し受けるべき金銭の額に相当する額の補償金の支払を請求することができる。当該警告をしない場合においても、出願公開がされた特許出願に係る発明であることを知つて特許権の設定の登録前に業としてその発明を実施した者に対しては、同様とする。」
- 特許権を侵害された者が損害賠償請求や差止請求をするには、それぞれ印紙代を払う必要がある。本件の侵害でアップル社に対し、100億円の損害賠償請求をするには約4000万円、差止請求をするには約5000万円(ともに知財高裁への控訴分も含む)の印紙代が必要となる。金銭的に困窮していた本件発明者は、損害賠償請求額を1億円とし、差止請求は断念した。
- 特許庁の進歩性の審査基準には「後知恵に陥ることがないように、審査官は留意しなければならない」と明記されているが、審査は、手品のタネを知った人がその手品を見るようなものだから、後知恵を働かせないことは実際には難しく、今なお議論がある。
- 発明者は、その発明について世界の誰よりも詳しく知っているのだから、進歩性を確保するために、なぜ他の人がその発明に到達できなかったのか深く考察し、これまでその発明が実現できなかった阻害要因を探し出す努力をしなくてはならない。
個人の発明で一攫千金を狙いたい方、または特許侵害訴訟に興味のある方におススメします。
立ち上がれ! 発明家たち
世界的大企業を相手に一歩も退かず特許の争いを勝ち抜いた男の、熱い戦いの軌跡を追い、個人が戦うために必要な知識と日本の特許・知財法制の課題を浮き彫りにする。
2015年9月、iPodに搭載されたクリックホイールを巡る特許訴訟で、最高裁は原告の個人発明家・斎藤憲彦氏の言い分を認め、アップルに対し3億3000万円の支払いを命じた。一個人が世界的企業を相手に戦った特許侵害訴訟で、勝訴が確定した瞬間だった。
個人発明家が大企業と互角に戦うためになくてはならないものの一つが特許だ。しかし、特許を武器にして勝つためには、心理的・経済的・法律的なノウハウを組み合わせた、高度な戦略を必要とする。一方で、「知財立国」を標榜しながら、新しい技術・製品開発に閉塞感が漂う日本はいま、知財の正しい実務知識を身につけた「ジャパニーズドリーム」の実現が求められている。斉藤氏が歩んだ道は、まさに特許取得から、それを武器に実際のビジネスにするまでのフルコースの物語である。
本書は、特許実務の専門家・知財コンサルタントとして活躍する筆者が、当事者である斉藤氏および周辺関係者へのインタビューを実施。斉藤氏の戦いをノンフィクションで追跡しながら、特許戦略、特許に関わる諸問題のポイントを解説していくもの。一個人でも巨大企業を相手に勝てること。そのために必要な基本知識を実際例のなかで整理するとともに、一方で日本が抱える「知財立国」実現をはばむ意外と語られていない問題点をもあぶり出す。
世界的大企業を相手に一歩も退かず特許の争いを勝ち抜いた男の、熱い戦いの軌跡を追い、個人が戦うために必要な知識と日本の特許・知財法制の課題を浮き彫りにする。
2015年9月、iPodに搭載されたクリックホイールを巡る特許訴訟で、最高裁は原告の個人発明家・斎藤憲彦氏の言い分を認め、アップルに対し3億3000万円の支払いを命じた。一個人が世界的企業を相手に戦った特許侵害訴訟で、勝訴が確定した瞬間だった。
個人発明家が大企業と互角に戦うためになくてはならないものの一つが特許だ。しかし、特許を武器にして勝つためには、心理的・経済的・法律的なノウハウを組み合わせた、高度な戦略を必要とする。一方で、「知財立国」を標榜しながら、新しい技術・製品開発に閉塞感が漂う日本はいま、知財の正しい実務知識を身につけた「ジャパニーズドリーム」の実現が求められている。斉藤氏が歩んだ道は、まさに特許取得から、それを武器に実際のビジネスにするまでのフルコースの物語である。
本書は、特許実務の専門家・知財コンサルタントとして活躍する筆者が、当事者である斉藤氏および周辺関係者へのインタビューを実施。斉藤氏の戦いをノンフィクションで追跡しながら、特許戦略、特許に関わる諸問題のポイントを解説していくもの。一個人でも巨大企業を相手に勝てること。そのために必要な基本知識を実際例のなかで整理するとともに、一方で日本が抱える「知財立国」実現をはばむ意外と語られていない問題点をもあぶり出す。
(amazonより抜粋して引用)

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