官民軍インテリジェンス / 山上 信吾,丸谷 元人,外薗 健一朗

2026年1月24日土曜日

ノンフィクション

t f B! P L

元外交官・山上信吾氏、防衛省出身の外薗健一朗氏 、危機管理コンサルタントの丸谷元人氏 による共著で、外務省(官)、自衛隊(軍)、民間(民)の三者の視点から日本の情報(インテリジェンス)体制を鋭く分析した一冊です。

拉致問題や企業買収、海外での邦人拘束など、現実の事例を通じて、日本の情報リテラシーの欠如がもたらすリスクを浮き彫りにし、国家と個人の安全保障に不可欠なインテリジェンス機能の強化を訴えます 。
2025年8月に発行された本です。
私が特に興味を持った著者の意見の一部をご紹介します。

インテリジェンスの種類

  • インテリジェンスの主要機能は、1.諜報(Intelligence Collection)2.防諜(Counterintelligence) 3 .謀略(Covert Action) の3つである。
  • 1.諜報(Intelligence Collection)には、①人的情報HUMINT(Human Intelligence)   ②信号情報SIGINT(Signal Intelligence)   ③画像情報IMINT(Imagery Intelligence)   ④公開情報OSINT(Open Source Intelligence)   ⑤測定・電子情報MASINT(Measurement and Signature Intelligence)がある。
  •  防諜(Counterintelligence)には、①スパイの摘発と排除②情報漏洩の防止③欺瞞・偽情報の活用④サイバー防諜⑤人的防諜がある。
  • 3 .謀略(Covert Action) には、①政治工作、②経済謀略、③軍事的謀略、④情報戦、⑤人的工作がある。

日本に欠けている機能

  • 日本のインテリジェンスにはHumint(人から情報を取る)活動と謀略(自国の利益のため他国に働きかける活動)活動が欠けている。
  • 日本が「スパイ天国」の汚名を返上し、日本の国民や産業等を守るためには「スパイ防止法」を一刻も早く成立させる必要がある。

武器輸出

  • 武器輸出は、経済的利益や外交的影響力が得られるだけでなく、科学技術の進歩や雇用創出につながる。さらに、自国製の武器が世界各国で使用されることで、各地域の軍事動向に関する情報が入ってくるという、インテリジェンス面での利点もある。

【一次情報の重要性】

  • イラク人亡命者ジャナビ氏がドイツの情報機関に対し「イラクは移動式の生物兵器製造施設を持っている」証言した。その情報を伝えられたアメリカそれを根拠として2003年にイラク戦争を開始したが、後にジャナビ自身が「サダムフセイン政権を倒すために噓をついた」と認めた。

【アメリカの謀略活動】

  • アメリカのCIAは、世界中に火種を作っては戦争を起こし、その国の体制をアメリカの意図する形に変えてきた。「カラー革命」はその最たる例。CIAはしっかりと「謀略」を行っている。
  • 北方領土問題も、アメリカが裏で関与した結果である。1945年の太平洋戦争終戦の直前の5月以降、ソ連軍12000人がアラスカのコールドベイ基地でアメリカ海軍・海兵隊から艦船の操縦や上陸戦闘などの訓練を受け、更にソ連軍はアメリカの艦船145隻の無償提供を受け、8月の終戦直後に北方領土を攻撃し占領した。アメリカによるソ連へのこの強力なバックアップは「フラ計画」と呼ばれている。
日本は、中国、ロシア、北朝鮮だけでなく、味方だと思っている欧米諸国に対しても、しっかり目配りしておく必要があると、著者らは警告します。
日本のインテリジェンスに興味をお持ちの方におススメします。


本気の議論が日本を守る
情報(インテリジェンス)で闘え日本

今もっとも注目されている元外交官、前駐オーストラリア特命全権大使、山上信吾氏。
外務省の情報機関・国際情報統括官であった山上氏と、
防衛省情報本部長から、第30代航空幕僚長を務めた外薗健一朗氏。
テロ対策・危機管理のプロとして、日本企業および日本人の「インテリジェンス」を高めるため危機管理コンサルタントとして日夜活動する丸谷 元人氏。
外務省(官)、自衛隊(軍)そして民間からという全く新しい視点の3者によるインテリジェンス本。

日本人が気づくべきインテリジェンスの価値

「なぜ、拉致問題は未解決のままなのか?」
「なぜ、深圳で日本人児童が命を落とさなければならなかったのか?」
「なぜ、日本人ビジネスマンが相次いで拘束されるのか?」
「なぜ、日本製鉄のUSスチール買収は高くついてしまったのか?」
……すべてにインテリジェンスの貧困が関わっている!
今こそ、官民軍一体となって、インテリジェンスリテラシーを上げる!

アメリカにとっての「最も親密な同盟国」は日本でも英国でもない
国際情報統括官組織は外務省の「情報軽視」で誕生した?
警察系のシギント組織「調別」とは?
自衛隊の実力を世界に知らしめた大韓航空機撃墜事件
フランスは自国のスパイを必ず助ける
日本人は今も「英霊」の恩恵を受け続けている
「親日派」の外国人に騙されるな
(amazonより抜粋して引用)

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関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
医療・医薬に関する一般向けの本、母のための老人施設・介護の本、私が興味を持つ科学、音楽、歴史に関する本、時事解説本、小説など、年間100冊程度読んでいます。
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