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北京在住26年の著者が、急速に変化する中国社会の中で生きる若者たちの姿を描いたルポルタージュです。
恋愛・結婚・住宅・教育・少子化などのテーマを通じて現代中国の実像に迫る、2023年発行の本です。経済成長の陰で広がる格差や、親世代との価値観の違い、SNSによる自己表現の模索など、若者たちの葛藤と希望がリアルに綴られています。
私の印象に残った著者の分析、解説の一部を以下にご紹介します。
【目まぐるしい政策の転換】
- 1976年に毛沢東が死去し、中国は1978年から、農村の市場経済化と深圳などの経済特区設置による「改革開放」政策に舵を切った。これを境に、中国社会全体が資本家的な成功を目指して走り出した。個人がお金を儲け自分の財産を増やすことは、階級の敵による罪深い行為から成功の王道へと180度位置づけが変わった。
- 文化大革命中(1966~1076年)は、自由恋愛は厳しく禁じられ監視されてきた。それが改革開放(1978年)を境に、香港や日本の映画・歌謡曲が巷で聴かれるようになり、恋愛への人々の見方は大きく変化した。
- 出産に関して、人口増加を抑制するため、中国政府は1979年に1人っ子政策を導入した。
- 1人っ子政策とエコーによる産み分け技術の浸透が重なり、1990年代中盤以降、新生児の男女比は大幅に崩れ、(正常値は女100に対して男103~107とされているところ)2004年~2008年の新生児では女100に対して男123であった。
- 2016年以降は事実上の1人っ子政策を廃止し2人まで、2021年には3人まで出産が可能となり、政府は出産を奨励するが少子化対策の効果はまだ見えていない。
- 日本では数世代にわたって経験した数々の変化を、中国では一人の人生の中で圧縮して体験した。そして、急速に時代が変化した中国の親子間には、他国の数世代分の時間が圧縮されている。この「中国スピード」を考えれば、中国の親子の間に世界最大級のジェネレーションギャップがあるのは当然といえるだろう。
【イマドキの若者の恋愛・結婚事情】
- 中国の若い男女が付き合う時、その儀式の一環として、しばしば男性はスマホのパスワードを女性に開示する習慣がある。女性がいつでも男性のスマホを見られるようにすることが「彼女の証拠」として流行っているという。
- 結婚する際の結納金の相場は近年急激に高騰し、また、新郎側は新婦に新居を用意しなくてはならないという新常識が生まれている。結婚に住宅所有の条件を持ち込んだのは、新婦の親たちと不動産会社であると、中国では広く言われている。
- 中国では、土地は全て公有であり、個人はその使用権を認められている。地方政府は、安い補償金と引き換えに住民を立ち退かせて土地を開発し、デベロッパーに売却すればその収益は地方政府のものとなるのだから、地方政府は住宅価格の上昇により利益を享受する側にいる。これが、「不動産価格の高騰は官製バブル」と言われる所以だ。
- 中国の結婚平均年齢はたった10年で、戦後じわじわと変わった日本並みに高くなり、離婚率は日本の倍に、少子化も日本以上に深刻化している。
- 恋愛や結婚に対する考え方やスタイルなど、全てが変化しており、そのスピードは尋常ではない。
「シン・中国人 ――激変する社会と悩める若者たち」
進む少子化、驚愕の結婚・住宅事情、若者世代の奮闘と苦悩……
市井の人々の「ガチ素顔」を現地からレポート。
圧縮された発展の激流の中で生きる中国人のリアル。
進む少子化、驚愕の結婚・住宅事情、若者世代の奮闘と苦悩……
市井の人々の「ガチ素顔」を現地からレポート。
圧縮された発展の激流の中で生きる中国人のリアル。
(amazonより抜粋して引用)

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