文豪、社長になる / 門井慶喜

2025年3月15日土曜日

小説

t f B! P L

大正時代に「恩讐の彼方に」などの名作を発表し、文藝春秋社を創設した作家・菊池寛の生涯を、直木賞作家・門井慶喜が描いた作品です。

”文春砲”で知られる「週刊文春」や、雑誌「文藝春秋」の発行元は株式会社文藝春秋です。
そして、その元となったのは、大正時代の文豪・菊池寛が、後輩の若手作家達に作品発表の場を提供するために大正12年に第一号を創刊した「文藝春秋」でした。
小説の中で、菊池寛と、芥川龍之介直木三十五川端康成らの人間関係も垣間見えます。
そして、芥川龍之介と直木三十五が若くして他界した後、菊池寛は、一般文芸大衆文芸の分野で最も優れたものを書いた、無名もしくは新進作家に与える新しい文学賞として、「芥川賞」「直木賞」を創設します。
作家の登竜門として誰もが知っているこれらの賞は、菊池寛が創設していたんですね。
戦時下で、菊池寛が時勢に乗せられていく様子や、文藝春秋が日本政府・戦争を礼賛するようになったエピソードも描かれています。
終戦後、公職追放の対象となった菊池は、戦争中に自分が時流に乗り軍国主義を煽ったことを顧みて、雑誌には「時流」だけでなく、いつの世にも変わらないもの、つまり「不易」も必要だったと反省を口にします。
流行だけでは浮薄にすぎる。不易だけでは重苦しい。両方をうまく塩梅するのが雑誌作りの本分っていうより、人間の生き方の本分なんだ。
そして、再起を夢見て新しい雑誌の名前を「不易流行」にしようと言って、家族を驚かせます。
菊池寛と文藝春秋社に興味をお持ちの方におススメします。


100年企業の土台は、人望。それだけ!
1923年
大ベストセラー作家・菊池寛の手によって
文春は産声をあげた
「楽しいんだ。菊池さんと仕事してると。それだけっ」
仕事が、仲間が、人生が愛おしくなる
2023年最高の感動歴史長篇
文藝春秋創立100周年記念作品

(あらすじ)
芥川龍之介や直木三十五、川端康成などの協力を得、菊池寛が発行した「文藝春秋」創刊号はたちまち完売する。読者が、時代が求めた雑誌は部数を伸ばし、会社も順風満帆の成長を遂げていく。
しかし次第に、社業や寛自身にも暗い影が。
芥川、直木という親友たちとの早すぎる死別、社員の裏切り、戦争協力による公職追放、そして、会社解散の危機……。
激動の時代に翻弄されながらも、文豪として、社長として、波乱に満ちた生涯を送った寛が、最後まで決して見失わなかったものとは――。
『家康、江戸を建てる』『銀河鉄道の父』の著者による、圧倒的カタルシスの感動作
(amazonより抜粋して引用)

このブログを検索

ブログ アーカイブ

自己紹介

自分の写真
関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
医療・医薬に関する一般向けの本、母のための老人施設・介護の本、私が興味を持つ科学、音楽、歴史に関する本、時事解説本、小説など、年間100冊程度読んでいます。
私が実際に読んでぜひ皆様におすすめしたいと思った本やその関連情報をこのブログで発信していきます。

インドの野心 / 石原孝、伊藤弘毅

リンク 朝日新聞の記者としてニューデリー支局に勤務した経験を持つ著者2名が、文化、教育、経済、外交などさまざまな角度から「急成長する大国インドの実像」を描いた新書です。 世界最大の人口 を抱え、 若年層が多い という強みを持つ一方、 教育格差や雇用不足 、 宗教・...

フォロワー

QooQ