暗号解読 / サイモン・シン

2023年8月17日木曜日

ノンフィクション

t f B! P L

科学書の分野で世界トップクラスの評価を得ている科学ジャーナリストのサイモン・シン氏が、古代から現在までの世界の暗号の歴史を、一般の読者向けに平易にそして熱く解説してくれる本です。

各時代で新しい暗号化方法が生み出され、必死の努力によりそれが解読されていく様子が、時代背景と共に生き生きと描かれています。
上下巻それぞれで、私が知的好奇心をそそられた注目ポイントは次の通りです。
各ポイントに壮絶なドラマがあり、暗号の奥深さを垣間見ることができる、大満足な作品です!

【上巻】
  • 紀元前1世紀、古代ローマのカエサルはアルファベットの各文字を、それより3つ後ろのアルファベットで置き換えて暗号化した。そのような、アルファベットの各文字を別のアルファベットに置き換えた単換字式暗号は、その後1000年間使われた。
  • 9世紀のイスラム世界で、各文字の出現頻度に基づき文字変換の法則性を推測する技法が生まれ、単換字式暗号はついに解読される
  • その後、文字変換のルールを最大26種類まで増やし、一文字ずつ変換ルールをシフトさせるヴィジュネル暗号が発明されるも、例えば”the”など頻出の文字列がたまたま同じ変換ルールにより変換される箇所に注目し、変換ルールの数を推測し、出現頻度を分析することで、19世紀にはヴィジュネル暗号も解読される。
  • 第二次世界大戦前にはドイツが“エニグマ”と呼ばれる最高難度の暗号機を開発するが、侵略を恐れるポーランド人は数学的発想と執念によりこれを解読する

【下巻】
  • 太平洋戦争で米軍は、アメリカンインディアンの特殊な方言を話すナヴォホ族を通信兵として帯同した。日本人には解読できない上に暗号化も復号も早く正確であったので、一定の効果を上げた。
  • 第二次世界大戦中にエニグマを上回る独ローレンツ暗号を解読するため、英国は真空管1500個を用いた世界初のプログラム可能なコンピュータを開発した
  • 1976年、送信者と受信者が鍵を交換することなく同じ鍵を共有する方法をスタンフォードのディフィとヘルマンが提案する。
  • 1977年、2つの素数の積のみを公開し、その2つの素数を知る受信者のみが解読できる公開鍵暗号方式「RSA暗号」がMITのリヴェストらによって発表される。しかし、実はそれより約6年前にこれと同じ暗号方式が英国政府機関で発明されていたが、機密事項とされたため公表されたのはずーっと後(1997年)だった!
  • その他、古代エジプトのヒエログリフや線文字Bの解読、最後は量子暗号まで、さまざまな言語や暗号のドラマが紹介されます。

【上巻】
文字を入れ換える。表を使う。
古代ギリシャの昔から、人は秘密を守るため暗号を考案してはそれを破ってきた。
密書を解読され処刑された女王。
莫大な宝をいまも守る謎の暗号文。
鉄仮面の正体を記した文書の解読秘話……。
カエサル暗号から未来の量子暗号に到る暗号の進化史を、『フェルマーの最終定理』の著者が豊富なエピソードとともに描き出す。
知的興奮に満ちた、天才たちのドラマ!
【下巻】
当時最強を誇ったドイツ軍の暗号機はいかにして破られたのか。
「戦争の世紀」が「情報の世紀」へと移り変わるなかで、数学者たちの攻防は続く。
RSA暗号、PGP暗号、量子コンピュータ、量子暗号……。
ネットや銀行を始め、知らずに我々の周囲に溢れる暗号技術の現在と未来、歴史の背後に秘められた人間ドラマを解き明かす傑作ノンフィクション。
巻末に「史上最強の暗号」とその解答を収録。
(amazonより抜粋して引用)

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関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
医療・医薬に関する一般向けの本、母のための老人施設・介護の本、私が興味を持つ科学、音楽、歴史に関する本、時事解説本、小説など、年間100冊程度読んでいます。
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