北里柴三郎 ~雷(ドンネル)と呼ばれた男~ / 山崎光夫

2023年6月7日水曜日

医療・医薬 小説

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「近代日本医学の父」として知られる北里柴三郎の波乱に満ちた生涯を描いた本です。


北里柴三郎は1853年、肥後国(熊本県)の庄屋の家に生まれ、時習館、熊本医学校、東京医学校を経て内務省衛生局に就職します。

持って生まれた負けん気の強さと弁舌の上手さを示す印象的なエピソードが紹介されています。

その後、
ベルリン大学でコッホに師事し、破傷風の研究を進め、血清を用いた新しい治療法にたどり着きます。
柴三郎は破傷風の血清療法を、それを基に同僚のエミール・ベーリングはジフテリアの血清療法を開発し、1890年に連名で発表したが、ベーリングのみが後に第1回ノーベル生理学・医学賞を受賞する結果となります(涙)

また、香港で大流行しているペストの現地調査を命じられた柴三郎は、劣悪な環境の中でペストの原因となる菌を発見します。

ペストが特定の菌(ペスト菌)に感染したために起きるという、今では当たり前のことも、人類がそれに気付き実証するまでには長い時間と多くの犠牲があったのですね。

東京大学医学部、慶応大学医学部、北里大学と、全て柴三郎が主導的な立場で、それらの前身となる施設の設立に貢献していたとは、びっくりです。

まさしく「日本近代医学の父」と呼ばれるにふさわしい、北里柴三郎とその時代がよくわかる一冊です。


日本近代医学の父・北里柴三郎。
破傷風菌の純粋培養、ペスト菌の発見など世界でも知られた医学者である。
北里は医師として活躍しただけでなく、日本医師会および日本細菌学会初代会長、慶應義塾大学医学部創設という実績からもわかるように、オーガナイザー、経営者としての手腕も存分に発揮した。
このような人物であるにも関わらず、北里に関する伝記・小説は子供向けの伝記以外に極めて少ない。
著者の山崎氏は、北里の秘書・田畑重明が日常を克明に記した日誌(未公開の一級資料)を入手し、それをもとに2002年4月から「週刊東洋経済」で「ドンネルの男」として連載された。
北里柴三郎は、ペスト菌を発見し、日本の医学、細菌学の基礎を築き、第一回ノーベル賞の候補にもなった世界的な医学者である。
また、2024年には新千円札の肖像にも登場する。
コロナ禍の今こそ知っておきたい日本の近代医学の礎を築いた北里柴三郎の生涯!!
(amazonより引用)

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関東在住で、医療関係の事務に携わっています。
家事・育児と、遠隔地で一人暮らしをする80歳代の母の健康状態にも目を配りつつ生活しています。
医療・医薬に関する一般向けの本、母のための老人施設・介護の本、私が興味を持つ科学、音楽、歴史に関する本、時事解説本、小説など、年間100冊程度読んでいます。
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